FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:押し目買いから買い優勢

NYダウは261.91ドル高の34869.63ドル、ナスダックは9.91ポイント安の15105.58ポイントで取引を終了した。与党民主党が独自の3.5兆ドル規模のインフラ・歳出法案の中で検討している法人税などの税率がバイデン大統領が提示した水準を下回ったため安心感が広がり、寄り付き後は上昇した。先週の下落後、押し目買い意欲も強く、NYダウは終日堅調に推移した。原油先物相場の上昇を背景にエネルギー株が上げたほか、資本財や金融など景気敏感株の一角に押し目買いが入った。 一方、ハイテク株は利益確定売りが続きナスダック総合指数は小幅安となった。VIX指数は20.95から19.37へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でややドル売り優勢

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.31%台まで低下したことを受けて円買い・ドル売りが先行し、一時109.90円付近まで下押しした。ただ、アジア時間早朝に付けた日通し安値109.83円がサポートとして意識されると徐々に下値を切り上げた。NYダウや日経平均先物の上昇も相場を下支えした。もっとも、NY市場に限れば値幅23銭程度の狭いレンジでの取引に終始した。市場では『14日発表の8月米消費者物価指数(CPI)を控えて、インフレ動向と米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和縮小)の開始時期を見極めたいとの向きが多い』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、一時1.1770ドルと8月27日以来の安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1817ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。ただ、同水準を上抜けることは出来なかった。

 

カナダドルは対ドルで1.2638カナダドル、対円で87.02円まで強含む場面があった。ハリケーン『アイダ』に続き、ハリケーン『ニコラス』が勢力を強めていることを受けて、原油先物相場が上昇した。産油国通貨とされるカナダドルの買いを誘った。同じく産油国通貨であるメキシコペソも堅調だった。対ドルでは19.8486ペソ付近、対円では5.55円付近まで上昇した。

 

NY原油先物市場は続伸:ハリケーンによる供給ひっ迫懸念から買い

NY原油先物市場は69.51ドル-70.97ドルのレンジ相場となった。ハリケーン『アイダ』の影響でメキシコ湾沖の石油・天然ガス生産の約4分の3が回復できていないが、『アイダ』に続きハリケーン『ニコラス』も勢力を強めていることなどで、供給ひっ迫懸念の強まりで原油価格は続伸した。アジア市場の序盤で69.51ドルまで売られたが、供給不安などで反転し、しばらく70ドルを挟んだ水準で推移。ロンドン市場で70.75ドルまで買われた後。ニューヨーク市場の序盤に69.93ドルまで下げたが、米国株高を意識した買いが観測されており、8月3日以来となる70.97ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引では主に70ドル台半ば近辺で推移した。

 

NY金先物市場は反発:押し目買いで底堅い展開

NY金先物市場は1782.30-1797.80ドルのレンジ相場となった。米金利が低下したこともあり、金利がつかない金先物が買われ一時1800ドル台を回復した。もっとも、市場を動意づける米経済指標の発表もほぼなく、FOMCを前にブラックアウト期間でFRB高官の発言もないことで値動きは限られた。アジア市場で1782.30ドルまで下落し、ロンドン市場では1790ドルを挟んだ水準で推移した。押し目買いが入ったことでニューヨーク市場の序盤にかけて1797.80ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では1792ドル近辺でもみ合う状態が続いた。

 

米国債券市場はまちまち:ポジション調整の買い

米国債券市場で中期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.21%で終了した。また、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.32%で終了した。明日の8月米消費者物価指数(CPI)を前に、ポジション調整目的の買いが入った。 

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