FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気回復ペース減速が警戒され売り優勢

NYダウは269.09ドル安の35100.00ドル、ナスダックは10.81ポイント高の15374.33ポイントで取引を終了した。先週発表された8月雇用統計が予想を大幅に下回ったことを受けて、景気回復ペース減速が警戒され、寄り付き後は下落した。新型コロナウイルスのデルタ株による経済への影響や財政支援の終了でエコノミストが成長予測を引き下げたことも手伝い、NYダウは終日軟調に推移した。モルガンスタンレーが投資判断を引き下げたジョンソン・エンド・ジョンソンなどの医薬品株も軟調だった。 一方で、ハイテク株の買いは続き、ナスダック総合指数は連日史上最高値を更新し終了した。VIX指数は16.41から18.14へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇でドル買い優勢

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.38%台まで上昇したことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行した。一目均衡表雲の上限110.11円を上抜けて、110.32円まで上値を伸ばした。一時は2万9590円まで売り込まれた日経平均先物が持ち直し、再び3万円台に乗せたことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の9月独ZEW景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うドル買いも入り、一時1.1838ドルと日通し安値を付けた。市場では『9日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、ポジション調整目的の売りが出た』との声も聞かれた。また、独連邦議会選挙(総選挙)を26日に控えて、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)陣営の支持率が世論調査で統計開始以来初めて20%を割り込んだ。CDU・CSUの支持率が過去最低となったことも意識された。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは下落した。中米エルサルバドルのブケレ大統領が6日夜(日本時間7日早朝)、法定通貨としての正式採用を7日に控える中、同国が400ビットコインを所有していると明らかにすると、アジア時間には対ドルで一時5万2921ドル台まで上昇し、5月13日以来の高値を付ける場面があった。ただ、NY市場に入ると利益確定目的の売りなどが膨らみ、一時4万3050ドル台まで急落した。もっとも、ブケレ大統領がツイッターで『150ビットコインを追加購入した』『今後も押し目買いを継続する』と発言すると一転買い戻しが優勢となり、4万7700ドル台まで急速に下げ渋った。

 

NY原油先物市場は続落:エネルギー需要に対する警戒感

NY原油先物市場は67.64ドル-69.42ドルのレンジ相場となった。先週の低調な米雇用指標を受けた地合いの弱さが継続され、NY朝には一時67.60ドル台まで売り込まれる場面があった。また、サウジアラビア国営石油会社がアジア向けの原油公式販売価格を大幅に引き下げたことも、エネルギー需要に対する警戒感を高めて相場の重石となった。ニューヨーク市場の序盤にかけて67.64ドルまで下落したが、その後68.82ドルまで戻した。しかしながら、ドル高、株安、米長期金利の上昇が嫌気され、67.78ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では68ドル台前半で推移した。 

 

NY金先物市場は反落:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り優勢

NY金先物市場は1793.70-1829.50ドルのレンジ相場となった。米長期金利が上昇し、金利がつかない金の価値が相対的に弱まった。為替相場でドル高が進行したことも、ドル建て金先物の重石となった。アジア市場で1829.50ドルまで買われたが、その後はじり安となり、ニューヨーク市場で節目の1800ドルを下回った。米長期金利の上昇とドル高を意識して換金目的の売りが優勢となった。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1800.50ドルまで戻しており、下げ幅はやや縮小している。

 

米国債券市場は下落:米国債入札を警戒した売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.37%で終了した。今週予定されている国債入札を警戒して、債券を売る(利回りは上昇)動きが広がった。

 

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