FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:8月雇用統計悪化で景気回復ペース減速懸念

NYダウは74.73ドル安の35369.09ドル、ナスダックは32.34ポイント高の15363.52ポイントで取引を終了した。8月雇用統計の雇用者数が予想を大幅に下回る伸びに留まったため、景気回復ペースの減速を警戒した売りが広がり、寄り付き後は下落した。同時に賃金が予想以上の上昇を示したため、高インフレへの懸念も再燃し特に景気循環株が売られ、NYダウは終日軟調に推移した。一時170ドル超下げたが、米早期テーパリング観測も同時に後退したため下値も限られた。 一方、ハイテク株の買いは根強く、ナスダック総合指数は連日史上最高値を更新し終了した。VIX指数は16.41で前日と変わらずだった。

 

NY外国為替市場:不調な8月米雇用統計受けドル売り優勢

ドル/円は、8月米雇用統計で非農業部門雇用者数変化が+23.5万人となり、市場予想の+75.0万人を大きく下回ったことが伝わると、発表直後には米10年債利回りの低下とともに109.58円まで下落した。平均時給が予想を上回ったこともあり、米金利が一転上昇すると109.95円付近まで反発したが、戻りは限定的だった。NYダウが下落して始まったことでクロス円とともに売りが強まり、109.54円まで再び下押しした。その後はしばらく安値圏でのもみ合いが続いていたが、引けにかけては全般ドルの調整買いが散見され109.70円台まで下げ渋った。 

 

ユーロ/ドルは、弱い米非農業部門雇用者数を受けて1.1909ドルまで上昇した後、米金利の一転上昇を受けて1.1866ドルまで失速した。再び1.19ドル台を回復したが、引けにかけては上値が重くなるなど、総じて方向感がなかった。 

 

南アフリカランド(ZAR)は買い優勢。南アフリカが世界最大の産出量を誇るプラチナ価格が大幅に上昇したことが材料視され、対ドルで14.2511ZAR、対円で7.69円を付けるなど総じて堅調に推移した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:需要増の思惑後退で売り優勢

NY原油先物市場は69.05ドル-70.53ドルのレンジ相場となった。低調な米雇用統計の結果を受けて、米景気の先行きに懸念が強まり、エネルギー需要見通しへの警戒感で売りが優勢となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての原油に割安感から買いも入ったが、昨日に約1カ月ぶりの高値をつけた反動から利益確定売りに押された。8月米雇用統計発表後に70.53ドルまで買われたが、連休前のポジション調整的な売りが増える展開となり、通常取引終了後の時間外取引で69.05ドルまで下落した。米国の石油掘削装置稼働数(リグ)は前週末比16基減少の394基となった。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:不調な8月米雇用統計受け買い優勢

NY金先物市場は1810.90-1836.90ドルのレンジ相場となった。8月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回り、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだ。ドル建ての金は割安感から買いが入った。また、米国株が下落するなど投資家のリスク回避志向が強まったことも、安全資産の金の買いを後押した。アジア市場で1810.90ドルまで下げた後、1816.80ドルまで戻した。ただ、通常取引終了後の時間外取引では1829.40ドルまで下げており、上げ幅は縮小した。

 

米国債券市場はまちまち:予想より強い平均時給受け売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.20%で終了した。また、長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.32%で終了した。8月米雇用統計で非農業部門雇用者数が低調だったことを受けて直後には債券買いで反応し、利回りは一時1.26%台まで急低下した。ただ、平均時給が予想より強かったことで一転して売りが優勢に。利回りは一時1.33%台まで上昇した。

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