FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:利益確定売りでNYダウは終日軟調

NYダウ48.20ドル安の35312.53ドル、ナスダックは50.14ポイント高の15309.38ポイントで取引を終了した。ADP雇用統計の8月分が予想を大幅に下回る伸びにとどまったことに失望し寄り付き後は下落した。8月ISM製造業景況指数が予想外に上昇したため回復ペース鈍化への警戒感が後退し売りが一段落したものの、9月相場入りで利益確定売りも根強くNYダウは終日軟調に推移した。一方、米金融緩和の早期縮小観測の後退でハイテク株は引き続き強く、ナスダック総合指数は連日で史上最高値を更新して引けた。VIX指数は16.48から16.11へ低下した。

 

NY外国為替市場:米雇用指標悪化で全般ドル売り優勢に

ドル/円は、8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が37.4万人増と予想の61.3万人増を大きく下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行し、一時109.85円と日通し安値を更新した。その後に発表された、8月米ISM製造業景気指数が59.9と予想の58.6を上回ったことが分かると買い戻しが入り110.13円付近まで持ち直す場面もあったが、買い戻しの勢いは長続きしなかった。NY午後に入ると110.00円近辺で値動きが鈍った。新規材料難の中、市場では『テーパリング(量的緩和の縮小)開始の時期を占う意味で重要な、週末の8月米雇用統計の結果を見極めたい向きも多い』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが先行し、一時1.1857ドルと8月5日の高値に面合わせした。予想を上回る米ISM製造業景気指数発表後の下押しも1.1833ドル付近にとどまった。バイトマン独連銀総裁はこの日、『ユーロ圏のインフレ率が欧州中央銀行(ECB)予想を上回るリスクがある』『パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)は段階的に縮小すべき』などと発言した。足もとでユーロ圏金融当局者からタカ派的な発言が相次ぐ中、市場では『ECBの緩和縮小観測が強まり、ユーロ買いを促した』との指摘があった。

 

NY原油先物市場は小反発:原油需要に対する警戒感から上値重い

NY原油先物市場は67.12ドル-69.24ドルのレンジ相場となった。コロナ感染拡大が続く中、原油の需給不均衡に対する警戒感で売りが先行した。ただ、為替相場でのドル売り・ユーロ買いを受けて、ドル建ての原油は割安感から買い戻しが入った。この日の石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する『OPECプラス』会合では原油生産水準を漸進的に引き上げる既存の方針を維持した。また、米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で、原油在庫は716.9万バレルの取り崩しと予想以上に減少した。アジア市場の終盤に69.24ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて67.12ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で68.69ドルまで戻しており、押し目買い興味は残されている。

 

NY金先物市場は小反落:1810ドルでは押し目買い興味

NY金先物市場は1810.60-1822.70ドルのレンジ相場となった。ADP雇用データが予想を大きく下回り、ドル売りが先行し、ドル建ての金は割安感から買いで反応した。ただ、その後に8月米ISM製造業景気指数が予想比上振れし、ドル売りが一服すると、金の買いも後退し、小幅安で取引を終えた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1822.70ドルまで買われたが、その後は上げ渋り。利益確定を狙った売りが増えたことで1810.60ドルまで反落した。ただ、その後に1819.00ドルまで戻しており、1810ドル台で押し目買い興味は残されている。

 

米国債券市場はまちまち:強弱まちまちの米経済指標に振れる展開

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%で終了した。長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.29%で終了した。予想を下回る8月ADP全米雇用報告を受けて買いが先行したものの、8月米ISM製造業景気指数が予想を上回ると売りが出たため、伸び悩んだ。 

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