FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:景気回復期待から買い継続

NYダウは39.24ドル高の35405.50ドル、ナスダックは22.06ポイント高の15041.86ポイントで取引を終了した。利益確定売りに寄り付き直後は下落した。しかし、7月耐久財受注速報値が予想ほど落ち込まず、安心感が広がり上昇に転じた。製薬会社ファイザー・ビオンテックがブッスター接種の正式承認を目指した申請を当局に提出したとの報道で、回復期待に伴う買いが一段と強まり終日堅調に推移した。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。VIX指数は17.22から16.79へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇からドルは底堅い展開

ドル/円は、米長期金利の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行した。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことも円売り・ドル買いを促し、一時110.12円と日通し高値を更新した。米5年債入札後に米長期金利が上昇幅を広げたことも相場の支援材料となった。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。一目均衡表雲の上限110.13円がレジスタンスとして意識された面もあった。なお、市場ではパウエルFRB議長がテーパリング開始について言及するのか、講演テーマ『経済見通し(The Economic Outlook)』に関する内容のみについて話すのか、注目が集まっている。

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行した。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.1726ドルと日通し安値を付けた。ただ、ユーロ/円などクロス円が上昇すると徐々に買い戻しが優勢に。前日の高値1.1765ドルを上抜けると目先のストップロスを誘発し、一時1.1775ドルまで上値を伸ばした。レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミストはこの日、『9月の政策決定会合でPEPPの終了を議論するのは時期尚早』『米金融当局のテーパリングの余波が市場に及んだ場合に備え、ECBは対応を準備している』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:原油在庫の減少を意識した買い

NY原油先物市場は66.92ドル-68.54ドルのレンジ相場となった。調整の売りが強まり、マイナス圏での動きが先行した。しかし、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫(8/20時点)で原油在庫が-298.0万バレル3週連続の取り崩しとなったことが確認されると、プラス圏へ浮上する底堅さを示した。ロンドン市場の序盤にかけて66.92ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で68ドル台に上昇し、一段高となった。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドル台前半で推移した。

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1784.00-1805.30ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが1.35%手前まで上昇したことを受けてドル相場が底堅く推移した。ドル建て金価格の割高感につながったほか、ドルの代替通貨的な価値もあるとされる金の相対的な優位性を損なわれた。3営業日続伸したことに対する反動の動きもあって、やや大きめな反落となった。アジア市場の序盤で1805.30ドルまで買われたが、まもなく反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1784.00ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引では1790ドル台で推移しており、売りは一巡している。

 

米国債券市場はまちまち:良好な米経済指標受け売り優勢に

米国債券市場で中期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらずの0.23%で終了した。長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.34%で終了した。7月米耐久財受注額が予想を上回ったことを受けて売りが先行した。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、ポジション調整目的の売りも出た。 

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