FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ワクチンの正式承認を受けた景気回復期待

NYダウは30.55ドル高の35366.26ドル、ナスダックは77.15ポイント高の15019.80ポイントで取引を終了した。当局による新型コロナウイルスワクチン正式承認を受けた景気回復期待に買いが強まり、寄り付き後は上昇した。 原油高に加え、企業の好決算も手伝い終日堅調に推移した。ただ、27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控えて、積極的に上値を追う動きも限られた。ハイテクも強く、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して終了した。VIX指数は17.15から17.22へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利が上昇したことでドル下支え

ドル/円は、原油や銅、鉄鉱石などコモディティ価格の上昇を背景に、資源国通貨買い・ドル売りが強まると、円に対してもドル売りが先行した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.25%台まで低下したことも円買い・ドル売りを促し、一時109.38円と日通し安値を更新した。ただ、109.40円より下の水準には断続的に買いオーダーが観測されており、売り一巡後は下げ渋る展開になった。米10年債利回りが1.29%台まで上昇したことも相場を下支えして、109.75円付近まで持ち直す場面があった。もっとも、NY午後に入ると次第に値動きが鈍った。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控える中、積極的な売買は手控えられたようだ。NY午後の値幅は10銭程度と非常に小さかった。なお、7月米新築住宅販売件数は70.8万件と予想の70.0万件を上回ったものの、前月分が70.1万件へ上方修正されたこともあり、前月比の伸びは1.0%上昇と予想の3.6%上昇を下回った。8月米リッチモンド連銀製造業景気指数は9と予想の24より弱い内容となった。 

 

ユーロ/ドルは、対資源国通貨中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1765ドルと17日以来の高値を更新した。もっとも、米長期金利が上昇したこともあり、積極的に上値を追う動きは限られた。 

 

NY原油先物市場は続伸:原油需要が盛り上がるとの連想買い

NY原油先物市場は65.41ドル-67.80ドルのレンジ相場となった。ファイザーとビオンテックのコロナワクチン正式承認を受け、ワクチン接種進展への期待が高まった。経済活動の活発化によりエネルギー需要が盛り上がるとの連想を誘い、原油相場を押し上げた。メキシコ湾の海上石油施設で発生した爆発事故により、石油の供給が一時的にせよ停滞するとの懸念も買い材料となったようだ。アジア市場で65.41ドルまで下げたが、ニューヨーク市場で67ドル台に上昇し、一段高となった。通常取引終了後の時間外取引で一時67.80ドルまで上げ幅は拡大した。

 

NY金先物市場は3日続伸:米長期金利上昇で上げ渋り

NY金先物市場は1802.60-1812.20ドルのレンジ相場となった。週末のジャクソンホール会合を前に米金融政策の行方が注目となるなか、コロナ・デルタ株の影響を懸念する声が米連邦準備理事会(FRB)高官から聞かれており、連邦公開市場委員会(FOMC)が慎重な姿勢を示すとの観測が浮上した。金利の上昇が抑えられ、金利を生まない資産である金の相対的な価値が高まるとの見方が、金相場の下支えとなった。アジア市場で1802.60ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1812.20ドルまで反発した。ただ、米長期金利の上昇を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で1805.60ドルまで下げている。

 

米国債券市場は下落:経済再開が進むとの見方から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01高い(価格は下落)0.23%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い1.29%で終了した。新型コロナワクチンの普及で経済再開が進むとの見方から、株高・債券安が進んだ。なお、米2年債入札が旺盛な需要を集めたことを受けて買いが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ