FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:コロナ感染拡大への懸念後退を好感

NYダウは215.63ドル高の35335.71ドル、ナスダックは227.99ポイント高の14942.65ポイントで取引を終了した。食品医薬品局(FDA)が国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したため、コロナ感染拡大への懸念が後退して寄り付き後は上昇した。さらに、原油価格の反発が買い材料になったほか、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムが対面形式からオンライン形式に変更されたことを受けて、この会合でパウエル議長が緩和縮小計画を発表するとの警戒感が後退したことも支援材料となり、上げ幅を拡大した。前週売られていた景気敏感株などに買いが入り、一時300ドル超上昇する場面があった。 ハイテク株も強く、ナスダック総合指数は史上最高値を更新して引けた。VIX指数は18.56から17.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:対産油国通貨中心にドル安

ユーロ/ドルは、NYダウが一時300ドル超上昇するなど、米国株相場が底堅く推移するとリスク回避のドル売りが先行した。原油先物相場の大幅反発を背景に、対産油国通貨中心にドル安が進むとユーロに対してもドル売りが出た。米長期金利の低下もユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1750ドルと日通し高値を更新した。なお、新型コロナウイルスのデルタ株感染が世界的に拡大する中、経済情勢を巡る不確実性への警戒感が台頭した。27日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控える中、市場の一部では『FRBのテーパリング(量的緩和の縮小)後ずれ観測』が浮上している。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.95まで低下する場面があった。

 

ドル/円は、欧州株相場や時間外のNYダウ先物の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが先行した。110.00円に観測されていた売りオーダーをこなして、一時110.15円まで値を上げた。ただ、一目均衡表雲の上限が位置する110.16円がレジスタンスとして意識されると失速した。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、一時109.65円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。原油や金、銀など商品相場が堅調に推移する中、対資源国通貨中心にドル安が進んだ影響も受けた。なお、8月米製造業・サービス部門・総合PMI速報値は予想を下回った一方、7月米中古住宅販売件数は予想を上回るなど強弱入り混じる結果となったため、相場の反応は限られた。

 

産油国通貨は買いが目立った。WTI原油先物価格が一時6%超の大幅高となったことを受けて、カナダドルやノルウェークローネに買いが集まった。米ドルカナダドルは一時1.2643カナダドル、カナダドル円は86.77円までカナダドル高に振れたほか、ノルウェークローネは対ユーロで一時10.4538クローネ、対ドルで8.8990クローネ、対円で12.33円まで上昇した。

 

NY原油先物市場は8営業日ぶりに反発:地政学的緊張の高まりから買い

NY原油先物市場は61.80ドル-66.00ドルのレンジ相場となった。先週末まで7営業日続落した後を受け、ドル下落によるドル建て商品の価格押し上げ効果もあって、大幅反発となった。多くの産油国が隣接するアフガニスタンの地政学的緊張が、今後原油の供給に影響を与えるとの懸念もある。だが、この点については依然として中国や他国の景気回復鈍化が需要低迷につながるリスクと、どちらがより市場の動意を促すか見定めている状態にある。アジア市場の序盤で61.80ドルまで下げたが、株高を意識した買いが入り、ニューヨーク市場の中盤にかけて66.00ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では65ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は大幅続伸:米金利低下とドル安を好感

NY金先物市場は1778.00-1809.10ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を受けてドル売りが先行し、ドル建て金相場に割安感が生じ、価格を押し上げる圧力となった。金利低下やドル安は、金利が発生せず、ドルなど貨幣の代替資産としての性質も合わせ持つ金の相対的価値を高める要因にもなった。アフガニスタン情勢を受けた地政学的リスクも、安全資産とされる金を買う動きにつながった。アジア市場で1778.00ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1809.10ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では清算値を挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は横ばい:早期テーパリング観測後退で買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは横ばいだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.25%で終了した。欧州株やNYダウ先物の上昇を受けて債券売りが先行したものの、新型コロナウイルスのデルタ株感染が世界的に拡大する中、8月米PMI速報値が予想を下回ったことが分かると、早期テーパリング(量的緩和の縮小)観測が後退し、一転買い戻しが優勢となった。 

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