FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:消費関連株や景気敏感株に押し目買い

NYダウは225.96ドル高の35120.08ドル、ナスダックは172.87ポイント高の14714.66ポイントで取引が終了した。前日まで下げが目立っていた消費関連株や景気敏感株の一角に押し目買いが入り、相場を下支えした。市場では『前日まで3日続落していただけに、これまで売り込まれてきた銘柄を中心に安値拾いの買いが入った』との声が聞かれた。前日に業務ソフトの値上げを発表したマイクロソフトは連日で上場来高値を更新した。緩和縮小を巡りタカ派発言を繰り返してきたダラス連銀総裁のカプラン総裁がデルタ株感染が拡大した場合に方針を修正すると発言し、連邦準備制度理事会(FRB)の早期緩和縮小への脅威も和らぎ相場の上昇を支援した。また、ハイテク株の上昇も手伝い、上げ幅を拡大した。VIX指数は21.67から18.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株価の上昇で過度なリスク回避後退でドル買い

ドル/円は、欧州市場では、時間外のダウ先物の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが入り、一時109.54円と日通し安値を付けた。ただ、前日と18日の安値である109.48円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。現物の米国株相場が上昇したことで、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが出た面もあった。米10年債利回りが上昇に転じたことも相場の支援材料となり、一時109.87円付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値109.89円を上抜けることは出来なかった。来週のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控えて、NY午後は様子見気分が広がった。手掛かり材料を欠く中で、値幅10銭程度の狭いレンジ取引に終始した。

 

ユーロ/ドルは、『米量的緩和縮小の前倒しが警戒される一方、欧州中央銀行(ECB)のハト派姿勢が続くとの見方からユーロ売り・ドル買いが出やすい状況』との声が聞かれ、一時1.1664ドルと昨年11月4日以来の安値を更新した。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢になった。週末を控えたポジション調整目的の買いが入ったほか、ユーロ/円やユーロ/ポンドなど一部ユーロクロスの上昇につれた買いが入り、1.1705ドルと日通し高値を更新した。なお、ユーロ/ポンドは一時0.8590ポンドと7月22日以来約1カ月ぶりの高値まで上昇した。

 

メキシコペソは軟調だった。WTI原油先物価格が7日続落し、約3カ月ぶりの安値を付けると、産油国通貨とされるペソに売りが出た。対米ドルで一時20.4564ペソ、対円で5.37円といずれも6月22日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。

 

NY原油先物市場は7日続落:経済活動鈍化による需要減懸念が相場の重石

NY原油先物市場は61.82ドル-64.04ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス変異株の感染が拡大し、経済活動が鈍化してエネルギー需要減に繋がるのではないかとの懸念が依然として相場の重石になった。エネルギー消費大国である中国の石油輸入が減少しているとの報道も地合いを更に悪くさせた。一時62.10ドル台まで下落し、約3カ月ぶりの安値を更新した。アジア市場の序盤で64.04ドルまで買われたが、まもなく反落。需要減少の思惑が強まり、ニューヨーク市場ではじり安となった。通常取引終了後の時間外取引で61.82ドルまで一段安となった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比8基増加の405基となった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに小反発:週末を控えたポジション調整の買い戻し

NY金先物市場は1780.00-1791.00ドルのレンジ相場となった。週末を控えてポジション調整の買い戻しが先行した。しかしながら、米長期金利が上昇すると金利のつかない金の魅力が相対的に弱まり、引けにかけては上げ幅を縮めた。狭いレンジの値動きが続き、取引高も低調となった。アジア市場で1791.00ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1780.00ドルまで反落したが、主要通貨に対するドル買いは一巡したことから、1789.00ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では1785ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:米国株高を受けてし売り優勢も底堅い展開

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01高い1.25%で終了した。米国株相場の上昇を受けて、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。ただ、新型コロナウイルスのデルタ株感染拡大による景気懸念が相場を下支えし、下値は限定的だった。

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