FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:米FRBの年内緩和縮小観測を嫌気した売り優勢

NYダウは382.59ドル安の34960.69ドル、ナスダックは130.27ポイント安の14525.91ポイントで取引を終了した。バイデン政権のインフラ案法制化への期待が後退したほか、連邦準備制度理事会(FRB)が公表する7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨への警戒感から寄り付き後は下落した。その後も、様子見気配が強まり、もみあいが続いた。議事要旨の中で、年内の緩和縮小の可能性が示唆されると警戒感が強まり、引けにかけて売りにさらに拍車がかかり、一時400ドル近く下落した。VIX指数は17.91から21.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC議事要旨公表後にドル失速

ドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月27日-28日分)の公表に向けて、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.29%台まで上昇すると全般ドル買いが先行し、一時110.07円と日通し高値を付けた。ただ、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が値を消すとドル円にも売りが出て、109.76円付近まで下押しした。NYダウが一時400ドル近く下落したことも相場の重石になった。なお、FOMC議事要旨では『大半の当局者は経済が予想通り幅広く発展するなら年内のテーパリング開始が適切と指摘した』『幾人かの当局者はさらなる進歩は十分に満たされていないとして、2022年初めのテーパリング開始が適切と指摘した』ことが明らかになった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホールでの講演を来週に控えて、市場では『FOMC議事要旨の内容を確認したい』と、注目が集まっていた。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、1.1700ドル割れに観測されていたストップロスを誘発し一時1.1694ドルと昨年11月4日以来の安値を付けた。ただ、FOMC議事要旨公表後に米長期金利が値を消すとユーロ/ドルにも買い戻しが入り一時1.1742ドルと日通し高値を付けた。もっとも、反応は一時的ですぐに失速した。NY市場に限れば、大きな方向感は見られなかった。なお、ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、『FRBはインフレショックを考慮する必要がある』『22年第1四半期までにテーパリングを完了し、必要に応じて利上げのオプションも考慮するべき』などと述べたと伝わった。 

 

NY原油先物市場は5日続落:米国株安を嫌気した売り広がる

NY原油先物市場は64.26ドル-67.23ドルのレンジ相場となった。NY序盤は買いが先行したものの、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計の発表後は軟調に転じた。在庫統計では原油が323.3万バレルの取り崩しとなった一方、一部予想で取り崩しが見込まれたガソリンは69.6万バレルの積み増しとなった。原油先物は66ドルを割り込むと売り圧力が更に強まり、引け後には5月以来となる64ドル台まで弱含んだ。ロンドン市場で67.23ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では株安を嫌気して売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で64.26ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は小幅続落:戻り売りが観測

NY金先物市場は1778.80-1795.70ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を午後に控え、ポジション調整の売りが先行した。為替相場でドルが対ユーロで昨年11月以来の高値を更新したことも、ドル建て金先物に割高感を生じさせて重石となった。アジア市場で1795.70ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1778.80ドルまで反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨発表後に1792.20ドルまで戻したが、戻り売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では主に1780ドル台で推移した。 

 

米国債券市場:FOMC議事要旨公表後に買い戻し

米国債券市場で中長期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.26%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を控えて売りが先行したものの、議事要旨公表後は『ほぼ想定の範囲内』との見方から買い直された。米国株相場の下落も債券買いを誘った。

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