FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:連日の高値更新から利益確定売り優勢

NYダウは282.12ドル安の35343.28ドル、ナスダックは137.58ポイント安の14656.18ポイントで取引を終了した。7月小売売上高が予想以上に落ち込んだため、寄り付き後は下落した。国内の新型コロナ感染による入院患者の急増を警戒した売りも根強く、下げ幅を拡大し一時500ドル超下げた。連邦準備制度理事会(FRB)による早期緩和縮小観測も売り材料となり、終日軟調に推移した。前日までに5日続伸し史上最高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りも出やすかった。VIX指数は16.12から17.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル需要高まる

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスの感染再拡大やアフガニスタンでの地政学リスクの高まり、中国のインターネット上の不正競争行為に関する規定草案発表などで世界景気の先行き不透明感が広がると、時間外のNYダウ先物が下落した。リスク回避のドル買いが先行した。そして、7月米小売売上高は予想より弱い内容となったが、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.27%台まで上昇するとドル買いがさらに強まり、一時1.1708ドルと日通し安値を更新した。なお、パウエル米FRB議長は討論会で「感染力の強い新型コロナ変異ウイルス『デルタ株』の感染拡大が経済に著しい影響を及ぼすかどうかはまだ不明」「金融セクターを経済へのリスクと見ていない」「現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することはできない」などと述べたが、金融政策については言及しなかった。 

 

ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.09円と日通し安値を付けたものの、前日の安値109.11円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、一時109.65円と日通し高値を更新した。その後の下押しも109.51円付近にとどまった。 

 

NY原油先物市場は4日続落:景気減速による需要減少懸念を嫌気

NY原油先物市場は66.33ドル-67.72ドルのレンジ相場となった。NY序盤は買い戻し優勢となるも、前日同様に67ドル後半で頭を抑えられた。安寄りした米国株が下げ幅を拡大すると、リスク資産でもある原油への売り圧力も強まった。新型コロナウイルス感染の再拡大が景気減速に繋がり、エネルギー需要が減少するとの懸念も原油相場の重しに繋がった。ニューヨーク市場の序盤にかけて67.72ドルまで戻したが、株安を警戒して66.33ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に66ドル台後半で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反落:地政学リスクの高まりから買い優勢

NY金先物市場は1782.10-1797.60ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高が進み、割高感が生じたドル建て金先物は売りが先行。もっとも、イスラム原理主義勢力・タリバンに占領されたアフガニスタンを巡る地政学リスクは高まったままであり、安全資産とされる金を売り込む動きも限定された。ニューヨーク市場の序盤にかけて1797.60ドルまで買われたが、安全逃避的なドル買いが広がったことから、1782.10ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では1785ドル近辺で推移し、上値の重い状態が続いている。 

 

米国債券市場はまちまち:薄商いで不安定

米国債券市場で中長期ゾーンは前日比変わらずだった。米2年物国債利回りは前営業日比変わらず0.20%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比変わらず1.26%で終了した。世界的な新型コロナ感染の拡大により、景気の回復ペースが鈍るとの観測で、相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行したものの、すぐに失速し引けにかけて値を消した。市場では『薄商いで相場が不安定だった』との声が聞かれた。

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