FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ハイテク株の上昇が下支え

NYダウは14.88ドル高の35499.85ドル、ナスダックは51.13ポイント高の14816.26ポイントで取引は終了した。7月生産者物価(PPI)の伸びが予想を上回り、インフレ高進への脅威が再燃し、寄り付き後は下落した。その後、週次新規失業保険申請件数が3週連続で減少したことを好感した買いも目立ち、下げ幅を縮小した。引けにかけ、ハイテク株の上昇も手伝い、NYダウは上昇に転じ、3日連続で史上最高値を更新し終了した。最近出遅れていたハイテク株に見直し買いが入り、相場を押し上げた。VIX指数は16.06から15.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:閑散相場で値動きの乏しい展開

ドル/円は、市場関係者からは『夏季休暇シーズンに入り取引参加者が減少しており、市場流動性が低下した。商いは閑散だった』との声が聞かれた。7月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行し、一時110.54円と日通し高値を更新した。ただ、前日の7月米消費者物価指数(CPI)と比較すると、米連邦準備理事会(FRB)の判断に与える影響度が低い指標ということもあって、一方的に買われる展開にはならなかった。一目均衡表雲の上限が位置する110.51円付近では戻り売りなども出て、一時110.32円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせした。もっとも、前日の安値110.31円がサポートとして働くと買い戻しが入り、下げ幅を縮めた。米財務省が実施した30年債入札が『やや不調』と受け止められ、米長期金利が上昇幅を広げたことも相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇や予想を上回る米物価指標を受けて、ユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.1724ドルと日通し安値を付けた。ただ、ユーロポンドやユーロ豪ドルなどユーロクロスが上昇するとユーロドルにも買い戻しが入り、1.1743ドル付近まで下げ渋った。もっとも、NY市場に限れば値幅は0.0019ドル程度だった。

 

メキシコペソは一転下落した。メキシコ中銀はこの日、金融政策決定会合を開き、政策金利を4.25%から4.50%に引き上げることを決めたと発表した。市場予想通りとなった。ただ、利上げを支持した理事会メンバーが3人、据え置きを主張したメンバーが2人となり、僅差での利上げだったことが分かるとペソ売りで反応し、対ドルで一時19.9666ペソ、対円で5.53円と日通し安値を更新した。なお、前回6月の利上げも3対2の決定で、2会合連続で全会一致とはならなかった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反落:増産の思惑残り伸び悩み

NY原油先物市場は68.46ドル-69.62ドルのレンジ相場となった。原油先物は売り買いが交錯。国際エネルギー機関(IEA)の月報で、コロナ感染の拡大でエネルギー需要が鈍化するとの見通しが示されたことが、原油の上値を圧迫した一方で、石油輸出国機構(OPEC)の月報では今年と来年の世界の石油需要は力強く回復するとの見解が維持され、原油相場の支えとなった。ロンドン市場で69.62ドルまで買われたが、原油増産の思惑で伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて一時68.46ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に69ドルをやや下回る水準で推移し、伸び悩んだ。

 

NY金先物市場は伸び悩み:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1742.60∸1759.60ドルのレンジ相場となった。7月米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回り、為替相場でややドル高・ユーロ安が進み、米長期金利が上昇したことが、金の上値を圧迫した。アジア市場で1759.60ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1742.60ドルまで下落したが、まもなく1750ドル台に反発した。通常取引終了後の時間外取引では1750ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反落:7月PPIが予想を上回り売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.22%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.36%で終了した。7月米卸売物価指数(PPI)が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行した。米30年債入札が『やや不調』と受け止められたことも相場の重石となった。

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