FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米上院でのインフラ投資法案可決を好感

NYダウは162.82ドル高の35264.67ドル、ナスダックは72.09ポイント安の14788.09ポイントで取引を終了した。米上院はこの日、バイデン大統領と上院超党派グループが合意したインフラ投資法案を賛成多数で可決した。法案成立には下院の可決が必要だが、米景気回復を支えるとの期待が浮上し、買いが広がった。原油高が支援したほか素材や資本財など景気敏感株に買いが集まった。NYダウは史上最高値を更新して引けた。一方、ハイテク株では米長期金利が上昇したことで、高PER(株価収益率)の売りが出た。VIX指数は16.72から16.79へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米早期のテーパリング観測の高まりからドル買い

ドル/円は、前週末の7月米雇用統計や前日の6月米雇用動態調査(JOLTS)を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が高まる中、ドルを買う動きがこの日も継続した。しばらくはもみ合いの展開が続いていた米10年債利回りが一時1.35%台まで上昇したこともドル買いを促し、110.59円と7月14日以来の高値を更新した。ただ、7月14日の高値110.70円や一目均衡表雲の上限110.73円がレジスタンスとして意識されたこともあり、NY午後はやや伸び悩んだ。なお、米上院はこの日、バイデン大統領と上院超党派グループが合意したインフラ投資法案を賛成多数で可決した。バイデン政権の経済対策の柱の一つであるインフラ投資法案は成立に向けて最初のハードルを突破したが、法案成立には下院の可決が必要になる。市場では『米下院での審議はなお曲折が予想される』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の8月独ZEW景況感指数が予想を大幅に下回ったことを受けて、NY市場でもユーロ売りが優勢となった。このところの堅調な米雇用指標の結果やFRB高官らのタカ派的な発言で、全般ドル買いが入りやすい面もあり、一時1.1710ドルと3月31日以来の安値を付けた。市場では「同日に記録した年初来安値1.1704ドルが視野に入った」との声が聞かれた。なお、ユーロ/豪ドルは一時1.5931豪ドル、ユーロ/NZドルは1.6712NZドル、ユーロ/カナダドルは1.4672カナダドルまで下落した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:ポジション調整的な買い戻し

NY原油先物市場は66.56ドル-68.90ドルのレンジ相場となった。感染力の強いコロナ変異株の拡大を警戒した動きが一服し、安値拾いの買い戻しが入った。もっともコロナ警戒感と景気回復期待が交錯する中、一方向に大きく傾きにくい。また、明日に米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計の発表を控え、原油やガソリンの在庫が減少するとの見通しも原油の買い戻しを後押しした。長期金利の上昇やドル高を警戒した売りは一巡し、ポジション調整的な買いが入った。通常取引終了後の時間外取引では68ドル台で推移した。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反発:押し目買い調整の買い戻し

NY金先物は1718.50-1739.40ドルのレンジ相場となった。ドル高や米長期金利の上昇を眺めながらこの日も金は売りが先行した。ただ、昨日までの急ピッチでの下げの反動で押し目買いや調整の買い戻しが入ったが、上値は限られた。アジア市場で1739.40ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1718.50ドルまで下げた。しかしながら換金目的の売りは一巡し、押し目買いが入ったことで1734.20ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では1730ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は下落:早期のテーパリングを意識した売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.23%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い1.35%で終了した。このところの堅調な米雇用指標の結果や米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派的な発言で、FRBが量的緩和の縮小(テーパリング)に動きやすくなるとの見方から、この日も債券売りが続いた。 

 

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