FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米景気回復減速懸念が高まり売り優勢

NYダウは97.31ドル安の34838.16ドル、ナスダックは8.39ポイント高の14681.07ポイントで取引を終了した。インフラ包括案を巡り上院が可決に向けて前進したため、インフラ計画が回復ペースをさらに後押しするとの期待に寄り付き後は大きく買われた。NYダウは日中取引で、史上最高値を更新した。その後、供給管理協会(ISM)が発表した7月の製造業景況指数が予想外に低下したほか、新型コロナウイルスデルタ株流行拡大を警戒し長期金利が再び2月来の水準に低下すると、回復減速懸念に売りに拍車がかかり、下落に転じた。引けにかけては、ウォーラーFRB理事が労働市場の動向次第で9月にも緩和縮小を発表する可能性を示唆すると下げ幅を拡大した。VIX指数は18.24から19.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株安と米長期金利低下でリスク回避の円買い

ドル/円は、7月米ISM製造業景気指数が59.5と予想の60.8を下回ったことを受けて円買い・ドル売りが先行した。前週末の安値109.36円や一目均衡表雲の下限109.30円を下抜けると一時109.19円まで下げ足を速めた。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.14%台まで低下したことも円買い・ドル売りを促した。高く始まったNYダウがマイナス圏に転じるなど米国株相場が失速し、クロス円が売られたこともドル/円の重石となった。ただ、直近安値である7月19日の安値109.07円がサポートとして働くと買い戻しが入り、109.38円付近まで下げ渋る場面があった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1897ドルと日通し高値を付けたものの、心理的な節目である1.1900ドルには届かなかった。NY時間に入るとポジション調整目的の売りに押され、じり安の展開となった。欧州長期金利の低下に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.1865ドル付近まで下押しした。市場では独30年債利回りが2月以来約半年ぶりにマイナスとなったことが話題となった。

 

豪ドル/円は米ツイッターのジャック・ドーシーCEOらが設立した決済会社『スクエア』が豪州のフィンテック・アフターペイの買収を発表したことなどが材料視されて、一時80.76円と本日高値を付けたものの、その後は失速した。ドル/円の下落につれた売りが出て、80.34円の本日安値まで押し戻された。

 

NY原油先物市場は大幅反落:米中の景気減速感とウイルス感染拡大を嫌気

NY原油先物市場は70.55ドル-73.95ドルのレンジ相場となった。アジア諸国での新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大や、官民の7月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)がそろって前月から減速し、予想から下振れたことなどを嫌気し原油先物は大幅に反落した。また、週末に起こった中東でのタンカー攻撃や、米ISM製造業景気指数が市場予想を下回ったことも重石になった。アジア市場の取引開始後に73.95ドルまで買われたが、まもなく反落した。新型コロナウイルス変異株の感染流行を警戒してニューヨーク市場で70.55ドルまで下げ幅は拡大した。通常取引終了後の時間外取引で71.53ドルまで戻したが、上値の重い状態が続いた。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1808.20-1823.20ドルのレンジ相場となった。NY入り時には弱含んでいた金先物価格だが、米ISM製造業景気指数が市場予想を下回り米金利が低下したことで、金先物は徐々に下げ幅を縮め、引けに近づくと買い戻しが優勢になり反発して引けた。ニューヨーク市場の序盤に1808.20ドルまで下げたが、米長期金利の動向を意識して1823.20ドルまで戻した。 

 

米国債券市場は続伸:予想下回る米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01低い(価格は上昇)0.17%で終了した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い1.17%で終了した。7月米ISM製造業景気指数が予想を下回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。 

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