FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:FOMCで慎重姿勢維持を受け買い戻し

NYダウは127.59ドル安の34930.93ドル、ナスダックは102.01ポイント高の14762.59ポイントで取引を終了した。疾病管理予防センター(CDC)による室内でのマスク着用に関するガイダンス変更を受け新型コロナ・デルタ株流行への警戒感が再燃したほか、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小の道筋を示すとの思惑などから金利上昇を警戒して、寄り付き後は下落した。その後、FOMCの声明やパウエル議長の会見で、FRBの金融緩和を辛抱強く維持する姿勢が再表明され金利が低下に転じると、NYダウは下げ止まった。一方で、ナスダック総合指数は上げ幅を拡大した。VIX指数は19.36から18.31へ低下した。

 

NY外国為替市場:ハト派的な米パウエル発言受けドル売り戻し

ドル/円は、米FRBは今日まで開いた米FOMCで市場予想通り政策金利の据え置きを決定した。声明では経済に対する評価をわずかに引き上げ、『ワクチン接種の進展により、経済活動と雇用の指標は引き続き上向いている』と指摘した。一方、『パンデミックによって最も悪影響を受けたセクターは改善を示したが、完全には回復していない』との見解も示した。また、『米経済が雇用とインフレに関するFRBの目標に向けて前進した』との認識を示したうえで、『委員会は今後の複数回の会合で引き続き進捗状況について評価する』と表明し、テーパリング開始に向けた議論が進んでいることを示唆した。市場は当初ドル買いで反応し、一時110.28円と日通し高値を更新した。ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の定例記者会見で『労働市場の状況は引き続き改善したが、なお時間がかかる』『テーパリング時期はデータ次第』『利上げには程遠い』などと発言すると、米10年債利回りが低下に転じ、ドル売りが優勢となり109.84円付近まで下押しした。なお、同議長はインフレ加速について『一時的でいずれ落ち着く』との従来認識を繰り返し、『インフレ高進の恐れがある場合、FRBは対抗措置を講ずる』と話した。

 

ユーロ/ドルは、FOMCでテーパリング開始に向けて『今後複数の会合で経済情勢の進捗を確認する』との見解が示されると、全般ドル買いで反応。3時過ぎに一時1.1773ドルと本日安値を付けた。ただ、パウエルFRB議長が『利上げ検討は程遠い』と強調すると、米長期金利の低下とともにドル売りが優勢になり、一時1.1850ドルと本日高値を付けた。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:原油とガソリンの在庫減少で買い戻し

NY原油先物市場は71.70ドル-72.60ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で原油は408.9万バレル減、ガソリンも225.3万バレル減となり、取り崩し幅は一部予想よりも大きかった。足もとでのしっかりとしたエネルギー需要が確認されて買い安心感が広がり、一時72.50ドル台まで上昇した。ロンドン市場で72.60ドルまで買われた後、71.70ドルまで反落したが、ニューヨーク市場の後半にかけて72.57ドルまで戻した。 

 

NY金先物市場はほぼ横ばい:米FOMC後の時間外取引では底堅い展開

NY金先物市場は1795.60-1813.90ドルのレンジ相場となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見を控え、前日引け水準を中心に小幅な上下に留まった。米FOMC結果判明後に一時1795.60ドルまで下げたが、1813.90ドルまで反発した。通常取引終了後の時間外取引では底堅い動きを保っている。 

 

米国債券市場ではまちまち:米パウエルFRB議長発言を受け買い戻し

米国債券市場で中期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.21%、長期ゾーンは上昇(利回りは低下)となり、米10年債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.23%で終了した。米FOMCではテーパリング開始に向けて『今後複数の会合で経済情勢の進捗を確認する』との見解が示されたが、パウエル米FRB議長が会見で『労働市場の状況は引き続き改善したが、なお時間がかかる』『テーパリング時期はデータ次第』『利上げには程遠い』などと発言すると、債券買いがじわりと強まり上げに転じた。 

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