FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:コロナ感染再拡大を懸念した売り優勢

NYダウは299.17ドル安の34687.85ドル、ナスダックは115.89ポイント安の14427.24ポイントで取引を終了した。6月小売売上高が予想外のプラスに改善したため強い回復への期待が高まり、寄り付き後、上昇。しかし、7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想外に低下したため期待が後退して下落に転じた。さらに、世界で感染力の強いインド発の新型コロナウイルス感染症『デルタ変異株』の感染が広がる中、景気の先行き不透明感が高まり売りが優勢となった。米カリフォルニア州ロサンゼルス郡はワクチン接種の有無に関係なく屋内でのマスク着用を17日深夜から再度義務付けるなど、ワクチン接種が進む国でも再び行動制限に踏み切る動きが相次いでいる。VIX指数は17.01から18.45へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株安でリスク回避の円買い戻し

ドル/円は、6月米小売売上高が前月比0.6%増と予想の0.4%減に反して増加したほか、自動車を除く数値が前月比1.3%増と予想の0.4%増を上回ったことを受けて円売り・ドル買いが先行し、一時110.34円と日通し高値を付けた。ただ、7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が80.8と予想の86.5を下回ると次第に上値を切り下げた。一目均衡表転換線が位置する110.26円や基準線110.49円が戻りの目処として意識された面もある。感染力の強いインド発の新型コロナウイルス感染症『デルタ変異株』が猛威を振る中、高く始まった米国株相場が下げに転じたことも相場の重石となった。

 

ユーロ/ドルは、一時1.1792ドルと日通し安値を付けたものの、そのあとは節目の1.1800ドルを挟んだ方向感に乏しい展開となった。NY時間に限れば値幅0.0027ドル程度の狭いレンジだった。なお、「欧州中央銀行(ECB)は来週22日の理事会で金融政策の方向性を示す『フォワードガイダンス』の変更を巡って意見が対立している」との一部報道が伝わったが、相場の反応は薄かった。

 

ポンドは全面安となった。ポンド/ドルは一時1.3761ドルと日通し安値を付けたほか、ユーロ/ポンドは0.8580ポンドまでユーロ高・ポンド安が進行した。ポンド/円は一時151.43円と本日安値を付けた。英国では新型コロナの感染が再び拡大しており、1日の新規感染者数が5万人を突破した。ワクチン接種が大幅に進む一方、減少傾向にあった感染者数が足もとで急増している。また、イングランドでは19日から感染対策の規制がほぼすべて撤廃される予定だが、ロンドン市長は『公共交通機関でのマスク着用を引き続き義務づける』と表明するなど、政府と首都で対応が分かれる事態となっている。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに小反発:株安を警戒して上げ幅縮小

NY原油先物市場は70.16ドル-72.04ドルのレンジ相場となった。増産の意向を示すアラブ首長国連邦(UAE)と、他のOPECプラス(石油輸出国機構・OPEC加盟国と非加盟の主要産油国による枠組み)の国々が妥協点を見出すとの見方があるものの、依然として不透明感は晴れない状態だった。一方、経済回復にともなう原油需要の回復期待は維持されており、上下とも強い方向感を示しにくいまま週引けとなった。アジア市場で71ドルを下回った後、ニューヨーク市場の序盤にかけて72.04ドルまで戻したが、需給ひっ迫の思惑は後退しており、70.16ドルまで反落。その後、72.00ドルまで戻す場面があったが、株安を嫌気して上げ幅は縮小した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の380基になった。

 

NY金先物市場は4日ぶりに反落:換金目的の売り優勢

NY金先物市場は1809.50-1832.70ドルのレンジ相場となった。週初12日に反落後は、昨日まで3日続伸した。本日は週末の調整安となった。しかし、6月29日に4月15日以来の安値1750.10ドルをつけて以降の戻り基調は継続中。週間では上昇して陽線で引けた。アジア市場の序盤に1832.70ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。ニューヨーク市場の序盤に1827.60ドルまで戻したが、株安を意識した換金目的の売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引で金先物は1809.50ドルまで下落している。 

 

米国債券市場はまちまち:コロナ感染再拡大が懸念され買い優勢

米国債券市場で中期ゾーンは反落(利回りは上昇)、長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米2年国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.23%、米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格上昇)1.29%で終了した。6月米小売売上高が予想を上回ったことを受けて債券売りが先行したものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されて次第に買い戻しが進んだ。

 

 

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