FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利の上昇を好感した買い優勢

NYダウは448.23ドル高の34870.16ドル、ナスダックは142.13ポイント高の14701.92ポイントで取引は終了した。長期金利の上昇を受けて、景気回復への懸念が後退し、寄り付き後は上昇した。前日に下落が目立った金融株を含む景気敏感株に押し目買いが入り、相場を押し上げた。市場の関心は来週から始まる米主要企業の4-6月期決算発表に移っており、『好業績期待から買いが入った』との指摘もあった。終日堅調に推移し、主要株式指数は史上最高値を更新して引けた。VIX指数は19.0から16.18へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク志向の改善から円売り優勢

ドル/円は、米国株式相場が堅調に推移し、主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.35%台後半まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時110.26円と日通し高値を更新した。ただ、円以外の通貨に対してはドル売りが目立ったため、買い一巡後は110円台前半でのもみ合いに終始した。市場では『米系ヘッジファンドなどが重要視している50日移動平均線109.80円を明確に上抜けたことで買いも入りやすいが、ここからは一目均衡表基準線が位置する110.43円がレジスタンスとして意識される』との声が聞かれた。なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、米議会に年に2回提出する金融政策報告書を公表した。『短期的なインフレ見通しの上方向へのリスクが拡大した』と物価の上振れリスクを警戒しながらも、『供給制約が薄れるとともに2%強の目標水準に落ち着く』との従来の見解を強調した。金融政策については『完全に回復するまで経済を強力に支援し続ける』『リスクが発生した場合、金融政策のスタンスを調整する用意がある』と表明した。報告書は14-15日のパウエルFRB議長の議会証言に先立ち公表された。 

 

ユーロ/ドルは、米国株相場の上昇を背景に投資家のリスク許容度が回復しユーロ買い・ドル売りが優勢になった。前日の高値1.1868ドルを上抜けて一時1.1881ドルまで上値を伸ばした。 

 

資源国のクロス円は堅調だった。WTI原油先物価格が大幅に上昇したことを受けて、産油国通貨に買いが集まった。カナダドル/円は一時88.50円、メキシコペソ/円は5.55円、ノルウェークローネ/円は12.71円まで値を上げた。カナダドルについては、カナダ統計局が発表した6月カナダ雇用統計で、新規雇用者数が23.07万人増と予想の19.50万人増を上回ったことを好感した買いも見られた。

 

NY原油先物市場は大幅続伸:原油在庫減少で買い安心感広がる

NY原油先物市場は72.72ドル-74.76ドルのレンジ相場となった。8日に米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で原油は7週連続の取り崩しとなり、その幅も一部予想を大きく上回った。在庫が着実に減少していることを受けて相場には買い安心感が広がった。欧米株式市場が反発しリスク志向ムードが回復したことも、リスク資産でもある原油の強さに繋がった。アジア市場で72.72ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の中盤にかけて74.76ドルまで一段高となった。米港の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の378基となった。

 

NY金先物市場は反発:ドル弱含みで買い優勢

NY金先物市場は1796.60-1813.00ドルのレンジ相場となった。1800ドル割れの堅さを確認し、上値を試す展開になった。為替でドルが対欧州通貨や対資源国通貨で弱含み、ドル建ての金先物に割安感がでたことによる買いに支えられた。米長期金利が上昇したことで伸び悩む場面もあったが、週引けにかけては底堅さが維持された。アジア市場で1796.60ドルまで下げたが、ユーロ高を意識した買いが入ったことで1800ドル台を回復した。ニューヨーク市場の終盤にかけて1813.00ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は反落:リスク選好による債券売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.21%、米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い1.35%で終了した。米国株が史上最高値を更新したことで安全資産とされる米国債に売りが出た。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ