★米国株式市場は下落:景気回復に懐疑的な見方が広がり売り優勢
NYダウは259.86ドル安の34421.93ドル、ナスダックは105.27ポイント安の14559.79ポイントで取引を終了した。東京で4回目の緊急事態宣言が発動され、五輪5者協議で都内の会場すべて『無観客』が決定されたとの報道をきっかけに新型コロナウイルス変異株流行が世界経済の回復を妨げるとの懸念が強まり、寄り付き後は下落した。新規失業保険申請件数も予想外に増加したため、景気回復に懐疑的見方が広がり、終日軟調に推移した。史上最高値付近での利益確定売りにハイテク株も下落した。市場では『米長期金利の低下も米景気の減速懸念を高めた』との声が聞かれた。VIX指数は16.30から19.00へ上昇した。
★NY外国為替市場:欧米株安でリスク回避の円買いが強まる
ドル/円は、世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気回復が遅れかねないとの懸念から世界の株式相場が下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となり、一時109.50円と6月11日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は2%超急落したほか、NYダウは一時530ドル超下げた。また、日経平均先物は大証終値比670円安の2万7480円まで売られる場面があった。もっとも、NY午後は下げ渋る展開となった。米国株相場が急速に下げ幅を縮小したほか、一時は1.24%台まで低下した米10年債利回りが1.30%台まで低下幅を縮めたことがドル/円を下支えした。
ユーロ/ドルは、対円中心にドル安が進んだ流れに沿ってユーロ買い・ドル売りが先行した。欧州中央銀行(ECB)が発表した戦略見直しが想定の範囲内であったことも買い安心感につながり、一時1.1868ドルと日通し高値を更新した。ECBは1年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を『2%』に変更すると発表した。これまでの『2%に近いが、それを下回る水準』を改め、物価の一時的な上振れを容認する。気候変動に対する考慮を金融政策に加味することも明らかにした。なお一部報道によると、戦略見直しの内容が先行きの政策にどのように反映されるかを示す『フォワードガイダンス』を巡っては合意に至らなかった。22日の理事会で改めて討議するという。
★NY原油先物市場は4日ぶりに反落:世界景気の回復鈍化が懸念され売り優勢
NY原油先物市場は70.76ドル-73.25ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス変異種の感染拡大による世界景気の回復鈍化が懸念され始め、エネルギー需要拡大への期待も後退するなか、時間外から売りが強まり一時約3週間ぶりの安値となる70ドル後半まで値を下げた。ただNY勢の参入後、米エネルギー省(EIA)週間在庫統計で原油の取り崩し幅が一部予想を大きく上回ったことが分かると買い戻しが優勢に。72ドル台を回復して上値を伸ばし、引けにかけては73ドル台に乗せる場面もあった。
★NY金先物市場は6日ぶりに反落:欧米株安で換金売り優勢
NY金先物市場は1793.50-1819.50ドルのレンジ相場となった。金融市場全般にリスク回避の動きが強まるなか安全資産とされる金に資金が向かい、NY序盤には1819ドル台と3週間ぶりの高値をつけた。ただ米株が急ピッチでマイナス幅を縮小し為替もドルが下値を切り上げると、金先物は利益確定の売りに押された。ニューヨーク市場の序盤にかけて1819.50ドルまで買われたが、株安を意識した換金売りが増えたことから、1793.50ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1800ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は続伸:世界の景気回復遅延懸念から買い優勢
米国債券市場で中長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米2年債国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.19%、米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い1.29%で終了した。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、景気回復が遅れかねないとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。市場では『空売りの持ち高を積み上げていた投資家の買い戻しが見られた』との指摘もあり、利回りは一時1.2479%前後と2月16日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた。
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