FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:労働市場の回復期待から買い優勢

NYダウは131.02ドル高の34633.53ドル、ナスダックは18.43ポイント高の14522.38ポイントで取引は終了した。週次の失業保険申請件数がパンデミックによる経済封鎖が始まった昨年3月中旬以降で最小となったため、労働市場の回復期待が一段と強まり、寄り付き後は上昇した。引き続き原油高も手伝い終日堅調に推移し、引けにかけて上げ幅を拡大した。市場では『新たな四半期に入ったことで、新規投資資金の流入期待も広がっている』との声が聞かれた。VIX指数は15.83から15.48へ低下した。

 

NY外国為替市場:雇用改善期待からドル買い優勢

ドル/円は、欧州時間に一時111.63円まで買われたあとの下押しも111.35円付近にとどまり、NY午後にかけて再び強含んだ。前日の6月ADP全米雇用報告の好結果を受けて、明日の米雇用統計でも強い結果が示されるとの期待が高まる中、引き続きドルが買われやすい地合いとなり、一時111.64円と昨年3月25日以来の高値を付けた。経済協力開発機構(OECD)はこの日、国際課税のルール作りに関する交渉会合を開き、国際的な法人税の最低税率を『15%以上』に設定することで大枠合意した。合意には130カ国・地域が賛同したほか、声明では『今年10月までに、残された問題を含めて詳細な実施計画を最終決定する予定』との見解が示された。 

 

ユーロ/ドルは、ユーロポンドの上昇につれたユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1884ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後はじり安の展開になった。市場では『米雇用改善を背景に米金融当局が金融政策の正常化に動きやすくなるとの見方もあり、ドル買いを誘った』との指摘があり、一時1.1841ドル付近まで下押しした。なお、この日発表の6月米ISM製造業景気指数は60.6と予想の61.0を若干下回ったものの、相場の反応は限られた。また、バイトマン独連銀総裁は『欧州中央銀行(ECB)はインフレの上振れを容認すべきではない』と述べ、平均インフレ目標の導入に反対する姿勢を改めて示したが、目立った反応は見られなかった。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:需要拡大見通し期待から買い優勢

NY原油先物市場は73.39ドル⁻76.22ドルのレンジ相場となった。世界経済の正常化に伴うエネルギー需要見通しへの期待で堅調な動きとなった。注目の石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する『OPECプラス』の閣僚級会合は2日に延期となったが、サウジアラビアとロシアが8-12月に日量200万バレル程度の減産縮小や、過剰供給を避けるため減産期間を来年末まで延長することを提案したが、アラブ首長国連邦(UAE)が反対したと伝わった。アジア市場で73.39ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて76.22ドルまで買われた。ただ、ドル高ユーロ安を嫌気して上げ幅は縮小し、74.60ドルまで下げる場面があった。

 

NY金先物市場は続伸:ドル高と米長期金利上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1765.90-1783.40ドルのレンジ相場となった。ユーロが対ドルで買いが先行し、ドル建ての金も買われ、一時1783.4ドルまで上昇したが、ユーロが対ドルで売り戻され、米長期金利も上昇に転じ、金は上げ幅を縮小して取引を終えた。 アジア市場で1765.90ドルまで下落したが、ニューヨーク市場の中盤にかけて1783.40ドルまで買われる展開となった。ただ、時間外取引では1770ドル台で推移した。

 

米国債券市場は上昇:米雇用統計控え方向感を欠く展開

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.46%で終了した。明日の6月米雇用統計を前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。

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