FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:新規の手掛かり材料乏しく利益確定売り優勢

NYダウは150.57ドル安の34283.27ドル、ナスダックは140.12ポイント高の14500.51ポイントで取引を終了した。バイデン政権と超党派議員で合意したインフラ計画案を巡り、法制化に懐疑的見方が広がり寄り付き後に下落した。新規の手掛かり材料に乏しい中、これまで買われてきたエネルギー関連株や金融株中心に利益確定の売りが出た。航空機のボーイングが3%超下落し、1銘柄でダウ平均を53ドル程度押し下げた。開発が遅れている次世代大型機『777X』について、『米連邦航空局(FAA)の承認は2023年半ばから後半になる見込み』と伝わったことが嫌気された。また、欧州やアジアで新型コロナの変異ウイルス感染が拡大し、渡航規制が強化されたことなどが嫌気されNYダウは下げた。一方、ハイテク株の買いは続き、ナスダック総合指数は上昇、史上最高値を更新した。VIX指数は15.62から15.76へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ロンドンのフィキシング絡んだ円買いフロー観測

ドル/円は、NY勢が加わる時間帯に入ると全般ドル買いが先行し、一時110.97円と日通し高値を付けたものの、前週末の高値110.98円や節目の111.00円に上値を抑えられると失速した。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.46%台まで低下したことも相場の重石となり、一時110.47円と日通し安値を付けた。市場では『月末・四半期末が近づく中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが観測された』との指摘もあった。ただ、前週末の安値110.48円が目先サポートとして働くと下げ渋った。米長期金利の低下が一服したことも相場を下支えし、110.60円台まで下げ幅を縮めた。 

 

ユーロ/ドルは、NY勢参入に伴って全般ドル高が進むと、一時1.1902ドルと日通し安値を付けた。ただ、米長期金利が低下すると次第に買い戻しが優勢となり、一時1.1940ドル付近まで下げ幅を縮めた。そのあとは1.19ドル台前半で値動きが鈍った。 

 

ポンド/円は頭が重かった。しばらくは154円台前半でのもみ合いが続いていたが、一時153.39円と日通し安値を付けた。新型コロナウイルスのワクチン接種で先行する英国では、1日の新規感染者が2万2868人と1月末以来の多さとなったと伝わっており、経済正常化が遅れるとの懸念が相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反落:ポジション調整的な売り優勢

NY原油先物市場は72.62ドル-74.45ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル高・ユーロ安が先行し、先週末に中心限月として約2年8カ月ぶりの高値水準まで上昇した原油は割高感から利益確定売りが優勢となった。また、東南アジアやオーストラリア、英国などでコロナ感染が再拡大していることも嫌気された。アジア市場で74.45ドルまで買われたが、需要増加の思惑はやや後退し、ニューヨーク市場で72.62ドルまで反落。ポジション調整的な売りが増えた。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台後半で推移した。 

 

NY金先物市場は小幅続伸:ドル高・ユーロ安を嫌気した売り

NY金先物市場は1770.40-1786.10ドルのレンジ相場となった。ドル高・ユーロ安が先行し、ドル建ての金は割高感から売りに押されたが、米長期金利の低下などを背景に買い戻された。アジア市場で1770.40ドルまで下げた後、1786.10ドルまで戻したが、その後は1780ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場では4日ぶりに反発:月末・四半期絡みのポジション調整買い

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.48%で終了した。月末・四半期末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけにポジション調整目的の買いも入った。 

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