FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米景気回復期待から買い優勢

NYダウは237.02ドル高の34433.84ドル、ナスダックは9.32ポイント安の14360.39ポイントで取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)が発表したストレステストの結果で大手23行が不況シナリオでも、自己資本比率規制の2倍の資本水準を維持するとの好結果や、バイデン政権が提示しているインフラ投資計画が法制化に向けて前進したことを好感して寄り付きから上昇した。景気循環株の買いが強まり、NYダウは終日堅調に推移した。一方、米長期金利の上昇を受けてハイテク株の買いは後退した。VIX指数は15.97から15.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い戻し

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している5月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前月比で予想を下回った。そのため、全般ドル売りが先行し一時110.44円と日通し安値を更新した。なお、前年同月比では3.4%上昇と市場予想通りの結果となった。1992年4月以来約29年ぶりの高水準を付け、2カ月連続でFRBの目標である2%を上回った。ただ、ドル円は一目均衡表転換線が位置する110.42円がサポートとして意識されると下げ渋る展開となった。米10年債利回りが1.54%台まで上昇したことも相場を下支えし、110.88円付近まで下値を切り上げた。

 

ユーロ/ドルは、米インフレ指標公表直後は全般ドル売りが先行し、一時1.1975ドルと日通し高値を付けたが、米長期金利が上昇に転じると上値が重くなった。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングにかけてはドルを買い戻す動きが広がり、一時1.1929ドル付近まで下押しした。一目均衡表雲の下限1.1974ドルや転換線1.1998ドルが引き続きレジスタンスとして意識された面もあった。

 

メキシコペソは上昇した。WTI原油先物価格の上昇を受けて、産油国通貨とされるペソには買いが先行した。前日にメキシコ中銀が予想外の利上げに踏み切ったことも引き続きペソ買いを促し、ドルペソは一時19.7059ペソ、ペソ円は5.61円までペソ高に振れた。ただ、引けにかけては週末を控えたポジション調整目的の売りが出たため伸び悩んだ。

 

NY原油先物市場は3日続伸:インフラ投資法案合意で需要拡大期待

NY原油先物市場は72.85ドル-74.18ドルのレンジ相場となった。来週の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合に対する警戒感から下押す場面もあったが、本日も買い優勢の天然ガスにつられて下値を切り上げる展開になった。バイデン米大統領と上院の超党派グループが合意したインフラ投資法案がエネルギー消費を拡大させるとの期待感も支えに、強含んだまま週引けとなった。ロンドン市場で72.85ドルまで下げたが、ニューヨーク市場の中盤にかけて74.18ドルまで上昇した。通常取引終了後の時間外取引でも74ドルを挟んだ水準で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の372基となった。

 

NY金先物市場は小幅反発:米長期金利上昇で上げ幅縮小

NY金先物市場は1773.60-1791.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安ユーロ高が進んだ場面では、割安感がでたドル建ての金先物も上値を試した。ただその後、米長期金利が上昇幅を広げると金利がつかない金の価値が相対的に弱まり、上値を切り下げる展開に。ドルが買い戻されたことも重石となり、金先物は上げ幅を縮めて週引けした。ニューヨーク市場の序盤にかけて1791.00ドルまで買われた。しかしながら、米長期金利の上昇を意識して金買いは縮小。1776.30ドルまで下げており、通常取引終了後の時間外取引では1780ドルを下回る水準で推移した。

 

米国債券市場は 3日続落:インフラ投資案の合意で債券売り継続

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.52%で終了した。前日のインフラ投資法案の合意で、米景気のさらなる拡大や国債増発を見込んだ債券売りが優勢となった。

 

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