FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:前週末の大幅下落からの反動買い戻し

NYダウは586.89ドル高の33876.97ドル、ナスダックは111.10ポイント高の14141.48ポイントで取引を終了した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ前倒し観測で、前週今年最大の下げ幅となった反動から買い戻しが優勢となった。市場では『前週の株売りは行き過ぎだった』との声が聞かれ、景気敏感株を中心に買い直されると一時610ドル超上げた。米経済が新型コロナウイルス禍から回復する中、エネルギー株の上昇が目立った。NY連銀のウィリアムズ総裁が経済の強さが金融政策を修正するにはまだ不十分であるとの見解を示すと引けにかけて、上げ幅を拡大した。10年債利回りが依然1.5%割れで安定しているためハイテク株も買われた。VIX指数は20.70から17.89へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円ではショートカバーが優勢

ドル/円は、アジア時間に一時109.72円まで売り込まれた反動で、海外市場ではショートカバーが優勢となった。米長期金利の上昇に伴う買い戻しも入り、一時110.35円まで値を上げた。米国株相場の上昇に加えて、日経平均先物の大幅上昇も円売り・ドル買いを誘った。ただ、欧州・オセアニア通貨に対してドル安が進んだ影響で、一本調子で上昇する展開にはならなかった。前週末の高値110.48円が目先レジスタンスとして意識された面もある。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は経済指標や経済状況が示す景気実態は『米連邦準備理事会(FRB)が政策スタンスを変えるほど進捗していない』と述べたほか、インフレ上昇については『経済再開による一時的な影響を反映している』として、『現在のような高水準の物価上昇率は続かない』との見通しを示した。また、パウエルFRB議長は22日の議会証言で『経済活動と雇用は引き続き強まった』『インフレ率はここ数カ月で顕著に加速した』『インフレ率はFRBの目標に向けて低下する見通し』(証言原稿)との見解を示すと伝わった。 

 

ユーロ/ドルは、米国株高で、為替市場ではリスク選好のドル売りが優勢となり一時1.1921ドルと日通し高値を付けた。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『引き締めは時期尚早であり、進行中の経済回復とインフレ見通しにリスクをもたらす』『必要ならECBには利下げする余地がある』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

オセアニア通貨は堅調推移した。米国株の大幅反発でリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルに買いが入った。豪ドル米ドルは一時本日高値となる0.7546米ドル、豪ドル円は83.25円まで値を上げたほか、NZドル米ドルは0.6999米ドル、NZドル円は77.19円と日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は続伸:欧米株高を好感した買い優勢

NY原油先物市場は70.78ドル-73.28ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスワクチンが普及している欧米では、夏の観光シーズンを前に行動規制の緩和が進んでいる。これを受けてエネルギー需要への楽観的な見方が強まるなか、週明けの原油相場は買いが先行した。株式市場が持ち直してリスク回避ムードが大きく後退したことも、リスク資産でもある原油の買いやすさに繋がった。アジア市場で72.05まで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて70.78ドルまで下落したが、欧米株高を意識した買いが入り、原油先物は73.28ドルまで反発した。時間外取引では73ドルを挟んだ水準で推移した。

 

NY金先物市場は3日ぶりに反発:欧州通貨高・ドル安を好感した買い優勢

NY金先物市場は1764.10-1786.90ドルのレンジ相場となった。時間外では1770ドルを下回る場面もあったが、為替相場でドルが欧州通貨などに対し軟調に転じ、割安感がでたドル建ての金先物は買い戻しが優勢となった。また、米債券相場が落ち着きを取り戻したことも金の調整買いを促した。アジア市場で1764.10ドルまで下げた後、反転した。安全逃避的なドル買いは一巡しており、ニューヨーク市場の中盤にかけて金先物は1786.90ドルまで買われた。ただ、その後は株高を意識して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では1780ドル台前半でもみ合う展開となった。

 

米国債券市場は3営業日ぶりに反落:景気減速を意識した買いは行き過ぎ

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.49%で終了した。利回りは時間外取引で一時1.3526%前後まで低下する場面もあったが、通常取引では一転1.4954%前後まで上昇した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ前倒しによる景気減速を意識した債券買いは行き過ぎとの見方から、売りが優勢になった。

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