FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:早期の金融引き締め警戒感から売り優勢

NYダウは265.66ドル安の34033.67ドル、ナスダックは33.18ポイント安の14039.68ポイント取引を終了した。連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えた警戒感に寄り付きから下落した。結果は市場の予想通り、大規模な金融緩和が据え置かれたが、同時に発表されたスタッフ予測において、成長やインフレ見通しが引き上げられ、さらに、利上げの時期の予想が前倒しされたため早期の金融引き締め警戒感が一段と強まり、相場を一段と押し下げた。ただ、パウエル議長が緩和縮小を急ぐ姿勢を見せなかったため引けにかけて、下げ幅を縮小した。VIX指数は17.02から18.15へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC結果公表後にドルは急騰

ドル/円は、109.90円を挟んだ狭いレンジ内でのもみ合いとなっていたが、米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策公表後には大きく上昇した。FOMCの金利見通しでは2023年までに利上げを見込む参加者が3月FOMC時点の7人から13人に増加し、中央値からみると2回の利上げが想定されることが明らかになった。また、2022年までの利上げを見込む参加者も3月時の4人から7人へと増加しており、ゼロ金利解除期待の高まりから米10年債利回りが大幅に上昇した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がその後の記者会見でインフレが予想以上に上昇する可能性について指摘したこともあり、米長期金利の上昇とともにドルが全面高となったため、引け前には一時110.72円と4月5日以来の高値を更新した。なお、パウエルFRB議長は会見で『インフレはFRBの予想以上に上昇し持続する可能性がある』『今日の会合では目標に向けた進展を巡って討議した』『目標達成に向けたさらなる著しい進展には依然として程遠い』などの見解を示した。

 

ユーロ/ドルは、しばらくは1.21ドル台前半で小安く推移していたが、FOMC後にはドルが全面高となった流れに沿って売りが加速した。節目の1.2000ドルも下抜けて、一時1.1994ドルと5月6日以来の安値をつけた。 

 

NY原油先物市場は続伸:時間外取引では売りが強まる

NY原油先物市場は71.75ドルー72.99ドルのレンジ相場となった。米NY州やカリフォルニア州などが経済の正常化に向かっていることで底堅く推移していた原油先物相場だが、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油の取り崩し幅が市場予想を上回ったことを受けて上げ幅を拡大した。一時、2018年10月以来となる水準まで続伸し、73ドル手前まで迫った。しかし、徐々に上げ幅を削り前日比で僅かに上回る水準で引けた。ニューヨーク市場の中盤にかけて72.99ドルまで買われたが、通常取引終了後の時間外取引で71.75ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は4営業日ぶりに反発:時間外取引で大幅に下落

NY金先物市場は1821.70-1866.00ドルのレンジ相場となった。3日続落していた金先物相場だが、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米金利が小幅に低下したこともあり反発して引けた。なお、引け後はFOMCで2023年までに2回の利上げが示唆されたことで米金利が急伸し、時間外の取引では金先物は大幅に下落した。金先物は時間外取引で1821.70ドルまで下落した。しかし、通常取引の時間帯では1866.00ドルまで買われており、底堅い値動きを保っていた。

 

米国債券市場は下落:ゼロ金利解除期待の高まりから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)1.57%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された金利見通しでは、2023年までに2回の利上げが行われる可能性が示された。ゼロ金利解除期待の高まりから債券売りが進み、10年物国債利回りは一時1.5890%と4日以来の水準まで上昇する場面も見られた。

 

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