FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:5月米CPI結果後に米長期金利低下で買い優勢

NYダウは19.10ドル高の34466.24ドル、ナスダックは108.58ポイント高の14020.33ポイントで取引を終了した。5月米消費者物価指数(CPI)は予想を上回る結果となったが、『米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)を急ぐほどではない』と受け止められ買い安心感が広がった。また、週次新規失業保険申請件数も市場予想は上回ったものの、前週より減少し、労働市場の回復が続いていることが確認された。足元で売られていた景気敏感株が買い戻され、長期金利の低下はハイテク株など、PERの高い銘柄への買いを誘った。指数は一時290ドル超上昇する場面があった。VIX指数は17.89から16.10へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で総じてドル売り優勢に

ドル/円は、5月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時109.79円と日通し高値を付けたものの、一目均衡表転換線109.76円近辺がレジスタンスとして意識されると失速した。一時は1.53%台まで上昇した米10年債利回りが低下に転じ、1.43%台と約3カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、109.27円と日通し安値を付けている。なお、米CPIの結果については『FRBがテーパリングを急ぐほどではないと受け止められた』『FRBは来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で考えを変えることはないだろう』との声が聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米インフレ指標やラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁のタカ派的な発言を受けて売りと買いが交錯し、方向感に乏しい展開となり、一時1.2195ドルと日通し高値を付けたものの、すぐに失速して1.2144ドルと日通し安値を付けた。ただ、そのあとは再びユーロ買い・ドル売りが進み1.2190ドル付近まで持ち直した。なお、ECBはこの日開いた定例理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を市場予想通り現行水準に維持することを決定。また、景気判断を従来から強めた一方、『現時点で縮小すれば借り入れコストの上昇につながり、景気回復が頓挫する恐れがある』と指摘した。 

 

NY原油先物市場は反発:米景気回復期待感を支えに買い先行

NY原油先物市場は68.68ドル-70.65ドルのレンジ相場となった。米新規失業保険申請件数は6週連続で減少し、米5月消費者物価指数(CPI)は予想比強い結果となり、米景気回復への期待感を支えに買いが先行した。米政府がイランの石油当局者に対する制裁を解除した報道を受けて原油は一時急落する場面もあったが、米財務省が制裁解除の対象は元イラン高官3人と石油化学製品関連の2企業であると、核協議との関連性を否定したことで急速に買い戻しが入った。時間外取引で70ドル台に戻している。

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下とインフレヘッジ目的の買い

NY金先物市場は1871.80-1902.70ドルのレンジ相場となった。売りが先行したものの、米5月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る結果となり、インフレヘッジ目的の買いが入った。ニューヨーク市場の序盤にかけて1871.80ドルまで下げたが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことで反転。ドルが多少伸び悩んだことも影響し、金先物はやや強含みとなり、通常取引終了後の時間外取引で1900ドル台を回復した。

 

米国債券市場は3日続伸:米FRBのテーパリングの思惑後退で買い

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.43%と約3ヵ月ぶりの低水準で終了した。5月米消費者物価指数(CPI)は予想を上回る結果となったが、『米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和の縮小(テーパリング)を急ぐほどではない』と受け止められ債券買いにつながった。

 

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