FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:インフレ指標発表を控え様子見ムード強い展開

NYダウは152.68ドル安の34447.14ドル、ナスダックは13.16ポイント安の13911.75ポイントで取引を終了した。5月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見姿勢が強い一日となった。NYダウは高値警戒感から売り圧力が強く、景気敏感株を中心に売られた。プラスに転じる場面もあったが、引けにかけて下げ幅を拡大し、取引を終えた。長期金利がおおむね1.5%を下回って推移したことは、ハイテク株にとってはサポート材料になった。ナスダックは朝方、1ヵ月ぶりに1万4000台に乗せたが、取引終了直前に下げに転じた。VIX指数は17.07から17.89へ上昇した。

 

NY外国為替市場:ドルは米長期金利の動向に振れる展開

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.47%台に低下すると円買い・ドル売りが先行し、一時109.18円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値109.20円や7日の安値109.19円がサポートされると一転上昇した。109.00-10円には11日期限のまとまった規模のオプションが観測されていることもあり、109円台前半での下値の堅さも意識された。米長期金利が低下幅を縮小したことも相場の支援材料となり、一時109.65円と日通し高値を更新した。市場では『米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、やや神経質な動きだった』との指摘があった。 

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.2218ドルと日通し高値を付けたものの、その後失速した。米金利が低下幅を縮めたことでドル買い戻しが進み、一時1.2174ドル付近まで下押しした。10日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会と米インフレ指標の発表を控えて、投資家の様子見気分も強く大きな方向感が出にくい面もあった。

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。対ドルでは一時3万6000ドル台後半、対円では404万円台まで上昇する場面があった。中米エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用するブケレ大統領の提案を賛成多数で承認したことが好感された。なお、ビットコインの法定通貨採用は世界初。

 

NY原油先物市場は小反落:70ドル台では利益確定売り

NY原油先物は69.46ドル-70.62ドルのレンジ相場となった。経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待や、ブリンケン米国務長官が米国はイランとの核合意に復帰したとしても、多くの制裁を維持するとの意向を示したことで、原油は買いが先行した。ただ、米エネルギー情報局(EIA)の週間統計を受けて売りに押された。原油在庫は524.1万バレルの取り崩しと予想より在庫減となったものの、ガソリン在庫は704.6万バレルの積み増しと予想より大幅な積み増しとなった。将来的な需給ひっ迫の可能性は残されているが、70ドル台では利益確定を狙った売りが観測されている。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利低下を好感

NY金先物市場は1889.30-1901.70ドルのレンジ相場となった。米長期金利の低下を受けて、金利を生まない金は買いが優勢となった。ただ、明日の米5月消費者物価指数(CPI)に注目が集まる中、利益確定の売りも入り、値動きは限られた。1900ドル近辺では引き続き戻り売りの興味が残されている。

 

米国債券市場は続伸:ポジション調整目的の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.49%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和の縮小(テーパリング)時期を探るうえで重要な5月米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控えて、ポジション調整目的の買いが優勢となった。利回りは一時1.4705%前後と約1カ月ぶりの低水準を付けた。なお、米10年債入札は『好調』と受け止められた。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ