FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:景気敏感株に利益確定売りで失速

NYダウは126.15ドル安の34630.24ドル、ナスダックは67.23ポイント高の13881.72ポイントで取引を終了した。米経済活動正常化への期待から買いが先行したものの、景気敏感株の一角に売りが集まると失速した。5月米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えて、積極的な売買が手控えられた面もある。足元で株価上昇が続いていた景気敏感株を中心に利益確定の売りに押され、終日マイナス圏での推移となった。一方のナスダックは、下落して始まったものの、終日堅調に推移。主要7ヵ国(G7)の財務相会合で、法人税の最低税率を15%とする共同声明が採択されていたが、影響は限定的だった。VIX指数は14.42から16.42へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米テーパリング観測後退でドル売り

ユーロ/ドルは、前週末に発表された5月米雇用統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期の量的緩和の縮小(テーパリング)観測が後退したため、この日もドル売りの流れが継続した。『ロシアは外国為替の流動性をユーロにシフトする刺激策を計画している』との一部報道もユーロ買い・ドル売りを促し、前週末の高値1.2185ドルを上抜けて一時1.2202ドルまで上値を伸ばした。一時0.8578ポンドまで売りが先行していたユーロポンドが持ち直したことも相場を下支えした。 

 

ドル/円は、米金融緩和が当面継続されるとの見方を背景に全般ドル売りが先行した。一目均衡表転換線が位置する109.53円や基準線109.34円を下抜けて目先のストップロスを誘発すると一時本日安値となる109.16円まで下げ足を速めた。ただ、売り一巡後は次第に商いが細り、109円台前半で値動きが鈍った。市場では『5月米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えて、積極的な売買は手控えられた』との声が聞かれた。 

 

南アフリカランドは失速した。アジア市場では対ドルで一時13.4122ランドと2019年2月以来約2年4カ月ぶりの高値を付けたほか、対円でも8.18円と19年2月以来の高値を更新したものの、海外市場に入ると利食い売りなどが優勢になった。対ドルでは一時13.5413ランド、対円では8.07円まで下落した。なお、市場では『ムボウェニ南ア財務相解任の噂や南ア公務員組合(PSA)ストライキの可能性など噂が流れており、注意が必要』との声が聞かれた。

 

NY原油先物市場は反落:ポジション調整的な売り

NY原油先物市場は68.93度折る-70.00ドルのレンジ相場となった。経済活動正常化に伴うエネルギー需要への期待が根強いことや、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことを手がかりに買いが先行し、7月限は一時70ドルちょうどと、中心限月としては約2年8カ月ぶりの高値となった。ただ、買いが一巡した後は利食いの売りに押された。アジア市場で70.00ドルまで買われたが、需給ひっ迫を意識した買いは一巡し、68.93ドルまで下落した。ドル高一服を意識して、ニューヨーク市場の序盤にかけて69.78ドルまで反発したが、ポジション調整的な売りが増えたことで通常取引終了後に69.12ドルまで下げた。

 

NY金先物市場は小幅高:ドル安を好感して1900ドル台回復

NY金先物市場は1883.70-1902.90ドルのレンジ相場となった。先週末の米雇用統計を背景としたドルの重い動きが継続し、ドル建ての金に割安感が増したことで買いが継続した。アジア市場で1883.70ドルまで売られたが、ドル高は一服していることから、金先物は下げ渋った。通常取引終了後の時間外取引で1902.90ドルまで買われており、6月3日以来の高値をつけている。

 

米国債券市場は反落:持ち高調整目的売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.57%で終了した。今週予定されている米物価指標の発表や国債入札などのイベントを控えて持ち高調整目的の売りが優勢となった。 

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