FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:良好な雇用指標を受け金融緩和縮小の警戒感

NYダウは23.34ドル安の34577.04ドル、ナスダックは141.82ポイント安の13614.51ポイントで取引を終了した。朝方発表された雇用の指標が好調で、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和の縮小に舵を切るのではとの警戒感から寄り付き後に下落した。米長期金利が上昇すると、利ざや拡大の見方から金融株などが買われた。半面、高PER(株価収益率)のハイテク株が売られ相場の重しとなった。NYダウは予想を上回った5月ISM非製造業指数や法人税見送りの報道などに支えられ、一時260ドル超下げたあとに上げに転じる場面もあったが、結局小幅に下落して取引を終えた。VIX指数は17.48から18.04へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢

ドル/円は、5月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が97.8万人増と予想の65.0万人増を上回ったことが分かると米長期金利の上昇とともにドル買いが先行した。目先レジスタンスとして意識されていた5月28日の高値110.20円を上抜けて、一時110.32円と4月6日以来約2カ月ぶりの高値まで値を上げた。米長期金利の指標である米10年債利回りは1.62%台まで上昇した。米連邦準備理事会(FRB)は3日、『流通市場企業信用制度(SMCCF)』を通じて購入した資産のうち、社債を投資対象とした上場投資信託(ETF)について『7日以降、段階的に売却する』と明らかにした。なお、市場では『FRBの売却額は社債市場全体に比べればわずかだろう』との声が聞かれ、社債市場への影響は限定的とみられている。 

 

ユーロ/ドルは、ロシアのシルアノフ財務相が『同国政府系ファンドがドル保有高をゼロにし、ユーロや人民元、金資産にシフトする計画』を発表するとドル売りで反応し、一時1.2208ドル付近まで強含む場面もあったが、アジア時間に付けた日通し高値1.2214ドルを上抜けることは出来なかった。良好な米雇用指標をきっかけに全般ドル買いが優勢になると、一時1.2118ドルと5月14日以来の安値を更新した。なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は『FRBが金融政策の調整に向けて議論を開始することは理にかなっているものの、実際に量的緩和の縮小(テーパリング)を始めるには程遠い』との考えを示した。

 

NY原油先物市場は小幅反落:ドル高を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は68.19ドル-69.40ドルのレンジ相場となった。2018年10月以来、約2年7カ月ぶりの高値水準69.40ドルに達したところから調整の下押しが先行した。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で、原油在庫が大幅に減少して取り崩しが続いたことを確認すると、69ドル台で戻りを試す場面もあった。しかし再び上値が重くなり、マイナス圏へ沈んだ。アジア市場で69.40ドルまで買われたが、需給ひっ迫を意識した買いは一巡したことから、ニューヨーク市場で68.19ドルまで売られた。ドル高も嫌気された。ただ、通常取引終了後の時間外取引では68.93ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は反落:米金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1866.70-1912.30ドルのレンジ相場となった。米金利上昇が金利を生まない資産である金の優位性を後退させたほか、ドル高によりドル建て金相場に割高感が生じた。米雇用指標の良好な結果も、安全資産とされる金の売りを促した。アジア市場で1912.30ドルまで買われたが、米国経済指標の改善やドル高を受けて1866.70ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では1870ドル台で推移した。

 

米国債券市場は反落:良好な米雇用指標改善を受け売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.62%で終了した。5月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債には売りが出た。

 

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