★米国株式市場は上昇:短期的な利益確定売りで上値の重い展開
NYダウは25.07ドル高の34600.38ドル、ナスダックは19.85ポイント高の13756.33ポイントで取引を終了した。雇用統計をはじめとする雇用関連指標の発表を週後半に控え、様子見姿勢が強い中でも、米経済活動の正常化による景気回復期待が引き続き支援材料となった。ただ、NYダウは史上最高値近辺にあり、短期的な利益確定売りも出て上値は重かった。足元で株価上昇が続いていた景気敏感株を中心に利益確定の売りも強く、マイナス圏に沈む場面もあった。ナスダックは終日方向感に欠ける展開となったが、引けにかけて下げ幅を縮小して上昇に転じた。VIX指数は17.90から17.48へ低下した。
★NY外国為替市場:米長期金利低下でややドルの重石
ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.88円と日通し高値を付けたものの、5月31日の高値109.94円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り、一時109.49円付近まで下押しした。なお、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁はこの日、『米連邦準備理事会(FRB)はFF金利を長期間、低く保つ計画』とした上で、『少なくとも量的緩和の縮小(テーパリング)の検討を考える時期に来ているかもしれない』との見方を示した。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)では『米経済は4月上旬から5月下旬にかけて緩やかに拡大し、前回の報告時期よりもやや加速した』『物価圧力は全般的に増大した』との認識が示された。
ユーロ/ドルは、一時1.2164ドルと日通し安値を付けたものの、NY勢が本格参入した後は対ポンド中心にドルが反落した影響で下値が堅くなった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.2218ドル付近まで持ち直した。ポンド/ドルはジョンソン英首相が『6月21日の規制緩和を遅らせるデータは何も出ていない』などと発言したことが好感されて、一時本日高値となる1.4183ドルまで値を上げた。
産油国通貨は堅調だった。WTI原油先物価格が約2年7カ月ぶりの高値となる69ドル台を付けたことで、産油国通貨とされるカナダドルやメキシコペソに買いが集まった。カナダドルは対米ドルで一時1.2029カナダドル、対円で91.07円まで値を上げたほか、ペソは対ドルで一時19.8851ペソ、対円で5.51円まで上値を伸ばした。
★NY原油先物市場は続伸:景気回復で需要増期待から買い優勢
NY原油先物市場は67.78ドル-69.00ドルのレンジ相場となった。経済活動の正常化にともなう景気回復がエネルギー需要につながるとの見方が引き続き支援材料になった。期近限月として2018年10月以来、約2年7カ月ぶりの高値水準での堅調な推移が続いた。アジア市場で67.78ドルまで下げたが、需給ひっ迫を意識した買いが入ったことによってニューヨーク市場で69.00ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では68ドル台で推移し、底堅い動きを維持している。
★NY金先物市場は反発:米長期金利低下とドル安を好感した買い
NY金先物市場は1896.40-1911.70ドルのレンジ相場となった。米金利低下・ドル安が支援材料となった。金利を生まない資産である金の劣後性が緩和されたり、ドル建て金相場の割安感につながったりした。米株の伸び悩みも、安全資産である金の買いを促した。ロンドン市場で1896.40ドルまで下げたが、まもなく反転した。通常取引終了後の時間外取引で1911.70ドルまで買われている。
★米国債券市場は反発:持ち高調整目的の買い優勢
米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.58%で終了した。週末の5月米雇用統計を控えて、持ち高調整目的の買いが優勢となった。なお、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は『量的緩和の縮小(テーパリング)の検討を考える時期に来ているかもしれない』と述べたが、相場の反応は限られた。
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