FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:高値圏では利益確定の売りが強い

NYダウは45.86ドル高の34575.31ドル、ナスダックは12.26ポイント安の13736.48ポイントで取引を終了した。米疾病対策センター(CDC)によると米国では新型コロナウイルスのワクチンを2回接種した成人の割合が50%を超え、新規感染者数の減少が鮮明になった。米経済活動再開への期待が高まり、景気敏感株の買いが先行すると一時310ドル超上げた。夏の行楽シーズンを前にレジャー関連銘柄に買いが入ったほか、原油高を受けてエネルギー株に買いが集まった。NYダウは一時、最高値を上回ったが、高値圏では利益確定の売りも強く、上値の重い展開になった。ナスダックは長期金利の上昇が嫌気され、軟調に推移した。長期金利が落ち着きを取り戻すとプラスに転じたが、結局小幅に下落して取引を終えた。VIX指数は16.76から17.90へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米雇用指数悪化でドル売り優勢に

ドル/円は、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.63%台まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行し、一時109.70円と日通し高値を付けた。ただ、節目の110.00円にかけては売りオーダーが並んでいることもあり上値は重かった。5月米ISM製造業景気指数は61.2と予想の60.9を若干上回ったものの、ISM雇用指数が50.9と前月から悪化し、予想の54.6を下回ったため円買い・ドル売りで反応し、一時109.34円付近まで下押しした。その後の戻りも109.50円付近にとどまった。 

 

ユーロ/ドルは、米ISM製造業景気指数で原材料や労働力不足が顕著になると全般ドル売りが先行し、一時1.2254ドルと日通し高値を付けた。ただ、5月26日の高値1.2263ドルや25日の高値1.2266ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなり、一時1.2212ドルと日通し安値を付けている。 

 

ブラジルレアルは堅調だった。対ドルでは一時5.1412レアル前後と1月4日以来の高値を付けたほか、対円では21.29円と昨年6月15日以来約1年ぶりの高値を更新した。1-3月期ブラジル国内総生産(GDP)が前期比1.2%/前年同期比1.0%と予想の前期比0.8%/前年同期比0.7%を上回ったことを受けて、ブラジルの通貨レアルを買う動きが広がった。なお、ブラジルの代表的な株式指数であるボベスパ指数は前営業日比1.6%超上昇し、過去最高値を更新した。

 

NY原油先物市場は反発:需給ひっ迫を警戒して底堅い展開

NY原油先物市場は66.41ドル-68.87ドルのレンジ相場となった。世界景気をけん引する米中の製造業PMIの良好な内容がエネルギー需要改善への期待を支援した。不透明感もあって上値が重い場面もあったが、原油相場は底堅かった。需給ひっ迫を警戒してアジア市場から大幅高となり、ニューヨーク市場の序盤にかけて68.87ドルまで買われた。米国株式の動向を意識して買いは一巡し、67.39ドルまで下げたが、通常取引終了後の時間外取引で68.04ドルまで戻している。 

 

NY金先物市場は小動き:方向感の定まらない展開

NY金先物市場は1894.50-1919.20ドルのレンジ相場となった。5月米ISM製造業景気指数は61.2と、4月の60.7から改善し、市場予想の60.9も上回った。しかし、同雇用指数は4月の55.1から、50.9へ低下した。注目指標が強弱まちまちの内容となったこともあり、リスク逃避先資産の金は方向感が定まらなかった。前営業日となる先週末引けの水準前後の動きに終始した。アジア市場で1919.20ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1894.50ドルまで反落した。その後は1900ドルをやや上回る水準で推移した。米長期金利は下げ渋ったことから、1905ドル近辺で金先物の戻り売りの興味が確認されている。

 

米国債券市場は反落:市場の序盤は売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.60%で終了した。序盤は売りが優勢となったが、5月米ISM製造業景気指数で労働力不足が顕著になると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。

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