FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:大型予算案への景気回復期待から買い優勢

NYダウは64.81ドル高の34529.45ドル、ナスダックは12.46ポイント高の13748.74ポイントで取引は終了した。バイデン米大統領が予算教書で発表する6兆ドル規模とされる大型予算案への景気回復期待感から買いが先行した。朝方発表された連邦準備理事会(FRB)が物価動向を測るうえで重視する4月の米個人消費支出物価指数のコアが前年比で3.1%の上昇と92年7月以来の伸びとなったが、FRBのインフレ高進は『一時的』とのスタンスに変化を与えることはないとみられ、長期金利への影響は限定的だった。前日引け後に好決算を発表したセールスフォース・ドットコムが大幅高となり、相場の上昇をけん引した。ただ、指数は史上最高値近辺にあり、短期的な利益確定売りも出て上値は重かった。3連休を控えた持ち高調整の売りも出た。VIX指数は16.74から16.76へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:米PCEコアデフレータ―の強い結果受けドル買い

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)が重視する4月米個人消費支出(PCE)などの物価指標発表を控えて、強い結果を期待した思惑的なドル買いが先行した。米PCEコアデフレーターが前年同月比3.1%上昇と予想を上回り、1992年7月以来の大幅な伸びを記録したことが分かると、全般ドル買いが加速した。目先のストップロスを断続的に巻き込んで、一時110.20円と4月6日以来の高値を付けた。ただ、110円台では戻りを売りたい向きも多く、滞空時間は短かった。米長期金利が低下したことも相場の重しとなり、一時109.74円と日通し安値を付けた。英米3連休を控えた週末とあってポジション調整目的の売りも出た。なお、バイデン米政権は約6兆ドル規模の予算案を発表したが、前日に伝わっていたこともあり市場の反応は鈍かった。 

 

ユーロ/ドルは、FRBが物価の目安として注目する米PCEコアデフレーターの発表を前に思惑的なドル買いが先行した。実際に予想を上回る強い数字だったことが分かると、一時1.2133ドルまでユーロ安・ドル高が進んだ。ただ、米長期金利が低下すると一転買い戻しが優勢に。市場では『ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに向けたユーロ買いのフローが観測された』との声も聞かれ、一時1.2205ドルと日通し高値を付けた。 

 

トルコリラは軟調だった。対ドルでは一時8.6134リラと史上最安値を更新したほか、対円では12.78円と約1カ月ぶりの安値を付けた。トルコ中銀のオグザン・オズバス副総裁が25日付で解任されたことを受けて中銀の独立性に対する不信感が高まる中、リラ売りの流れが継続した。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による同国格付けの発表が予定される中、市場では『格下げへの警戒感が高まり、リラの重石となった』との指摘もあった。

 

NY原油先物市場は6日ぶりに反落:持ち高調整の売りが優勢

NY原油先物市場は66.17ドル‐67.52ドルのレンジ相場となった。エネルギー需要の拡大期待を背景に買いが先行し、3月前半以来の高値となる67.50ドル台まで上値を伸ばした。ただ一巡後は、英米3連休を控えた持ち高調整の売りに抑えられた。その後、大手石油ガス開発ベーカー・ヒューズ発表の今週の米国内・掘削装置(リグ)稼動数が年初来最多を更新したことが分かると、66ドル前半まで下落して週引けとなった。ニューヨーク市場の序盤に67.52ドルまで買われたが、原油需要の増加を期待した買いは一巡し、利益確定を狙った売りが増えたことから、通常取引終了後の時間外取引で66.17ドルまで下落した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比3基増加の359基となった。

 

NY金先物市場は反発:ユーロの反発を意識した買い

NY金先物市場は1884.30-1908.20ドルのレンジ相場となった。NY序盤にかけて為替相場でドル高が進んだため、ドル建ての金先物は売りが先行した。ただしドルは上値の重さを確認すると、一転売り戻しが優勢になった。これを受けて金も下値を切り上げる展開となった。米長期金利が低下に転じたことも支えに、1900ドル台を回復しそのまま底堅く週引けした。ニューヨーク市場の序盤にかけて1884.30ドルまで売られたが、まもなく反発し、1900ドル台を回復。米長期金利は伸び悩んだことやユーロの反発が意識されたようだ。通常取引終了後の時間外取引で1908.80ドルまで買われている。 

 

米国債券市場は3営業日ぶりに反発:月末特有の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.58%で終了した。4月米個人消費支出(PCE)などの物価指標は予想を上回ったものの、月末特有の買いが入ったため底堅く推移した。なお、週明け31日はメモリアルデーの祝日で休場となるため、本日が月末最終日の取引となった。 

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