★米国株式市場はまちまち:経済活動の正常化への期待が引き続き下支え
NYダウは141.59ドル高の34464.64ドル、ナスダックは1.72ポイント安の13736.28ポイントで取引は終了した。朝方発表された週次新規失業保険申請件数がパンデミックが始まって以来の最低水準に改善し、市場予想をも下回ったため、労働市場の改善が加速しているとの見方から、寄り付き後は上昇した。『バイデン米大統領が28日公表する予定の2022会計年度予算案では、連邦政府の歳出が6兆ドルに増加するようだ』との観測報道を受けて買いが優勢となった。新型コロナウイルスのワクチン接種率が高まる中、経済活動の正常化への期待から買いが入った面もある。一方、長期金利が上昇したことはナスダックの重石になった。おおむねプラス圏で推移するも引けにかけて前日の終値近辺でもみ合い、わずかに下落して取引を終えた。VIX指数は17.36から16.74へ低下した。
★NY外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル買い優勢
ドル/円は、『バイデン大統領は2022会計年度(21年10月-22年9月)の予算教書で、6兆ドルの歳出を求める計画』との一部報道をきっかけに円売り・ドル買いが優勢になった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.62%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、一時109.92円と4月9日以来の高値を付けた。市場では『ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローが観測された』との声も聞かれた。ただ、米7年債入札後に米長期金利が上昇幅を縮めるとドル買いの勢いは後退した。4月9日の高値109.96円や節目の110.00円を前に利食い売りなども出て、一時109.76円付近まで伸び悩む場面があった。
ユーロ/ドルは、ユーロ/円の上昇につれた買いが入った半面、米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出たため、終日方向感に乏しい展開が続いた。
ポンドは全面高になった。ブリハ英金融政策委員会(MPC)委員が『景気回復が予想以上に進めば、2022年の早い時期に利上げが実施される可能性がある』との見解を示したことで、全般ポンド買いが優勢となった。ポンド/円は一時156.08円と18年2月以来の高値を付けたほか、ポンド/ドルは一時1.4219ドルまで値を上げた。また、ユーロ/ポンドは一時0.8582ポンドまで下落した。
★NY原油先物市場は5日続伸:需要増大の思惑が強まる
NY原油先物市場は65.47ドル-66.90ドルのレンジ相場となった。イラン核合意の再建に向けた協議への警戒感から、時間外では持ち高調整の売りに押される場面があった。もっとも米国勢の本格参入後からは再び買い優勢になった。同国経済が正常化に向けて着実に進む中でエネルギー需要増への期待は高いままである。来週の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合では減産幅を確認するにとどまる、との一部報道も買い安心感に繋がった。ロンドン市場で65.47ドルまで下落したが、ニューヨーク市場では米国経済の回復による需要増加を期待した買いが優勢となり、一時66.90ドルまで一段高となった。
★NY金先物市場は4日ぶりに反落:米長期金利の上昇やドル高を嫌気した売り
NY金先物市場は1890.80-1906.50ドルのレンジ相場となった。為替相場がドル高・ユーロ安に振れ、ドル建ての金先物に割高感が生じたことから売りが先行した。米長期金利が上昇し、金利がつかない金の価値が相対的に下がったことも上値の重さに繋がった。もっとも引けにかけては、為替や債券相場の落ち着きと共に金先物も下げ幅を縮小した。アジア市場で1906.50ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて1890.80ドルまで反落した。米長期金利の上昇や株高が意識された。ただ、通常取引終了後の時間外取引で1900ドル台を回復しており、下げ渋る展開となった。
★米国債券市場は続落:国債増はによる需給懸念による売り優勢
米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.61%で終了した。『バイデン米大統領が28日公表する予定の2022会計年度予算案では、連邦政府の歳出が6兆ドルに増加するようだ』との観測報道を受けて、国債増発による需給懸念が強まり売りが広がった。ただ、7年債入札が『好調』だったことが分かると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。
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