FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:高値警戒感から利益確定売り優勢

NYダウは81.52ドル安の34312.46ドル、ナスダックは4.00ポイント安の13657.17ポイントで取引が終了した。新型コロナワクチンの普及による米経済活動正常化への期待から幅広い銘柄に買いが先行したものの、前日までの3日続伸で史上最高値が近づいており、次第に利益確定売りが優勢となった。また、取引開始後に発表された5月の消費者信頼感指数と4月の新築住宅販売件数が市場予想を下回ると買いの勢いは鈍った。米長期金利の低下で、利ざや悪化の懸念からゴールドマン・サックスなど金融株の下落が目立った一方で、ハイテク株には買いが入った。VIX指数は18.40から18.84へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドルの重石に

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の5月独Ifo企業景況感指数が予想を上回り、独景気の先行きに楽観的な見方が広がったことからユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.2266ドルと1月8日以来の高値を付けた。その後、ユーロ/円の下落につれた売りが出て一時1.2227ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.55%台まで低下したこともあり下押しは限られた。

 

 ドル/円は、クロス円の上昇につれた買いが先行し一時本日高値となる109.07円まで値を上げたものの、米長期金利が低下するとドル/円にも売りが出たため108.70円付近まで下押しした。4月米新築住宅販売件数や5月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことも相場の重石となった。なお、クラリダ米連邦準備理事会(FRB)副議長は『インフレは一過性との基本的な見解は変わらず、もし上昇圧力が続いても対処する方法はある』『いずれ資産購入のペース縮小に関する議論はするだろうが、今はそれが焦点ではない』などと述べたものの、相場の反応は限られた。市場では『FRBのハト派姿勢が変わらない中、新たな材料待ちの様相を呈している』との声が聞かれた。

 

トルコリラは軟調だった。トルコ中銀のオグザン・オズバス副総裁が25日付で解任されたことを受けて、中銀の独立性に対する不信感が高まりリラ売りを誘った。リラは対ドルで一時8.4875リラ、対円で12.82円まで下落した。エルドアン大統領は3月20日に金融引き締めを進めてきたアーバル総裁を解任し、同30日にはチェティンカヤ副総裁を解任している。 

 

NY原油先物市場は3日続伸:サイクロンによる供給不安から買い優勢

NY原油先物市場は65.41ドル-66.51ドルのレンジ相場となった。昨日4%近く上げた反動から利益確定の売りが先行した。しかしながら、メキシコ湾でサイクロンに発達する可能性のある低気圧が発生したことで今後の供給不安が高まり、65ドル台では下げ渋った。また、欧米各国は経済正常化に向けて着実に進んでおり、エネルギー需要増への期待感も相場の支えとなった。 ロンドン市場で65.41ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の序盤にかけて66.51ドルまで買われた。ただ、米国株式は伸び悩んだことから、通常取引終了後の時間外取引で65.78ドルまで下落している。

 

NY金先物市場は続伸:米長期金利低下を好感した買い

NY金先物市場は1873.20-1901.20ドルのレンジ相場となった。為替相場ではドル安・ユーロ高が本日も進み、ドル建ての金先物は買いが優勢になった。米長期金利が低下傾向を強めたことも、金利がつかない金の価値を相対的に高めた。引け後の時間外取引では約4カ月半ぶりとなる1900ドル台乗せを達成した。アジア市場で1873.20ドルまで下落したが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1890ドル台まで買われた。ユーロ高が一服したことで一時上げ渋ったが、米長期金利の低下を意識して1月8日以来となる1900ドル台に上昇した。

 

米国債券市場は続伸:弱い米経済指標受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.56%で終了した。4月米新築住宅販売件数や5月米消費者信頼感指数が予想を下回ったことを受けて買いが先行した。2年債入札が堅調だったことも債券買いを誘った。

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