FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米景気回復期待から買い優勢

NYダウ123.69ドル高の34207.84ドル、ナスダックは64.75ポイント安の13470.99ポイントで取引を終了した。5月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことが分かると、景気敏感株を中心に買いが優勢になった。上げ幅は一時330ドルを超えた。ただ、中国政府が採掘取締りをあらためて表明したことを背景に、暗号通貨相場が再び急反落すると、警戒感に一時上げ幅を縮めた。しかし、インフラ計画を巡りパイデン政権が引き続き共和党との超党派での合意求め妥協案を提示すると回復期待感からNYダウは終日堅調推移となった。一方、住宅価格の上昇を受けてインフレ懸念が再燃し、ハイテク株は下落に転じた。VIX指数は20.67から20.15へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:良好な米経済指標を受けドル買い優勢

ユーロ/ドルは、一時1.2238ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間につけた日通し高値1.2240ドル手前で上値の重さを確認すると一転下落した。5月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことが分かると、全般ドル買いが活発化し一時1.2161ドルと日通し安値を更新した。なお、5月ユーロ圏消費者信頼感指数速報値は▲5.1と予想の▲6.8を上回ったものの、相場の反応は限定的だった。

 

ドル/円は、一時108.61円と日通し安値を付ける場面もあったが、一目均衡表基準線108.64円や19日の安値108.57円がサポートとして働くと買い戻しが優勢になった。5月米PMI速報値が予想を上回ったことも相場を下支えし、一時109.00円と日通し高値を更新した。カプラン米ダラス連銀総裁とハーカー米フィラデルフィア連銀総裁が『テーパリング(量的緩和縮小)に向けた協議の開始は遅いよりは早い方が良い』との考えを示したこともドル買いを誘ったようだ。なお、4月米中古住宅販売件数は予想を下回ったものの、相場の反応は限られた。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは大幅安。ビットコイン・ドルは一時35212ドル前後まで下落し、下げ幅は前日比で12%を超えた。ビットコイン円も一時386万円程度まで売り込まれた。中国金融安定発展委員会が金融リスク防止・管理に向けて、ビットコインのマイニング(採掘)や取引を取り締まる方針を改めて表明したことが嫌気された。

 

NY原油先物市場は4日ぶりに反発:景気回復期待根強く買い優勢

NY原油先物市場は61.56ドル-64.07ドルのレンジ相場となった。前日まで3日続落し、約1カ月ぶりの安値水準まで下落したことで安値拾いの買いが入った。米株の上昇も投資家のリスク回避姿勢を緩め、リスク資産としての原油の買いを後押しした。コロナワクチン接種の進展や経済活動正常化による景気回復期待は根強く、押し目では買いも入りやすかった。ロンドン市場の序盤にかけて61.56ドルまで下落したが、世界経済の正常化によって原油需要の増加観測が再浮上し、短期筋などの買いが活発となった。イランによる輸出再開を想定した売りは一巡した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の356基となった。

 

NY金先物市場は7日ぶりに反落:続伸の反動による利食い売り優勢

NY金先物市場は1870.30-1890.30ドルのレンジ相場となった。5月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想比上振れし、ドル高・ユーロ安が進み、ドル建ての金は割高感から売りが優勢となった。前日まで6日続伸したことも利食い売りを誘った。ニューヨーク市場の序盤にかけて1890.30ドルまで買われたが、ユーロ安を意識して1870.30ドルまで下落。ただ、米国株高は一服したことから、通常取引終了後の時間外取引で1882.60ドルまで戻す場面があった。

 

米国債券市場は横ばい:売買材料に対して動意の薄い展開

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ1.62%で終了した。5月米製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値が予想を上回ったことや、米連邦準備理事会(FRB)当局者からテーパリングの討議開始時期に関する発言が伝わったものの、債券相場への影響は限られた。

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