FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:過度なリスク回避姿勢が後退

NYダウは188.11ドル高の34084.15ドル、ナスダックは236.00ポイント高の13535.74ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、パンデミックによる経済封鎖が始まった昨年3月以来で最小水準に改善したため、景気回復期待を受けた買いが再燃して寄り付き後は上昇した。米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)銘柄に買いが入り一時330ドル超上昇した。前日に急落した暗号資産(仮想通貨)ビットコインが反発し、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らいだ面もあった。引けにかけ、イスラエルとハマス当局が停戦で合意したとの報道で、地政学的リスクの後退も好感材料となった。VIX指数は22.18から20.67へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、ユーロ圏経済への回復期待が高まるとユーロ買い・ドル売りが先行した。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が31.5と予想の43.0を下回り、米長期金利の指標である米10年債利回りが1.62%台に低下したこともドル売りを誘い、一時1.2229ドルと日通し高値を更新した。なお、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のキリアキデス委員(保健衛生担当)はこの日、域内で新型コロナワクチン接種が加速しており、夏に向けて『慎重ながらも楽観的』との認識を示した。

 

ドル/円は 、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ったほか、予想を大幅に下回る5月米フィリー指数が相場の重しとなり、一時108.75円と日通し安値を更新した。なお、前週分の米新規失業保険申請件数や4月米景気先行指標総合指数は予想より強い内容となったものの、相場の反応は限られた。 

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは伸び悩んだ。ビットコイン・ドルは一時42540ドル前後まで上昇したものの、38227ドル付近まで下押しした。ビットコイン円も一時465万円前後まで買われたあと419万円前後まで上げ幅を縮めた。米財務省はこの日、『1万ドル以上の仮想通貨を受け取る取引は米内国歳入庁(IRS)に報告しなければならない』との規制強化の方針を公表した。前日の乱高下など、不安定な値動きへの警戒感が漂うなか、規制強化の影響が嫌気された。

 

NY原油先物市場は3日続落:イラン制裁解除で供給増加の思惑

NY原油先物市場は61.89ドル-63.96ドルのレンジ相場となった。引き続きイラン核合意交渉の進展期待が高まっていることを背景に原油は売りが継続した。米・イラン両国が核開発問題で歩み寄り、イラン産原油の輸出解禁による供給過剰への警戒感が強まっている。アジア市場の終盤にかけて63.96ドルまで買われたが、イラン大統領が『核合意の当事国がイランに対する主要制裁の解除を容認した』と伝えたことから、原油先物は反落し、ニューヨーク市場で61.89ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は6日続伸:ユーロ高を意識した買い優勢

NY金先物市場は1864.20-1885.30ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての原油は割安感から買いが入るも、米国株が反発し投資家のリスク回避ムードの後退による売りも散見し、方向感は限られた。アジア市場で1864.20ドルまで下げたが、ユーロ高・米ドル安の相場展開を意識した買いが入ったことでニューヨーク市場の中盤にかけて1885.30ドルまで買われた。

 

米国債券市場は反発:米金融緩和の長期方針を意識した買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.62%で終了した。5月米フィリー指数が予想を大幅に下回ると、『米金融緩和策の長期化方針は変わらない』との冷静な見方が改めて強まり、債券買いが進んだ。 

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