FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米長期金利の低下で値ごろ感の買い優勢

NYダウは433.79ドル高の34021.45ドル、ナスダックは93.31ポイント高の13124.99ポイントで取引を終了した。週次新規失業保険申請件数の予想以上の減少を好感し、雇用や景気の回復期待を受けた買いが再燃して寄り付き後は上昇した。4月消費者物価指数(CPI)に続き生産者物価指数(PPI)も物価上昇圧力を示す結果となったもののインフレへの脅威がいくらか緩和し、長期金利も低下したたこともハイテク株中心に相場の下支えとなった。米疾病対策センター(CDC)がワクチン接種完了後のマスク着用の必要はないとの決定を発表すると、経済活動の再開ペースの加速を期待し、上昇幅を一段と拡大した。足もとで相場下落が続いたあとだけに、値ごろ感からの買いが入ったほか、米長期金利が低下したことで、高PER(株価収益率)銘柄に買い戻しが入った。NYダウは一時590ドル超上昇する場面があった。VIX指数は27.59から23.13へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で全般ドル売り

ドル/円は、4月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.6%/前年同月比6.2%と予想の前月比0.3%/前年同月比5.8%を上回ったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時109.69円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値109.79円を上抜けることは出来なかった。米PPIが予想を上回ったにもかかわらず、米長期金利が低下したため、一時109.41円と日通し安値を付けた。なお、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は『直近の低調な雇用統計やインフレ率の上昇が一時的であることを確認しなければならない』『金融政策の変更を検討する前にさらに数カ月分のデータが必要』などと述べた。

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば1.20ドル台後半でのもみ合いに終始した。前日の4月米消費者物価指数(CPI)や本日の米PPIの発表を受けて米金利の先高観が強まり、ユーロ売り・ドル買いが出やすかった半面、米長期金利が低下したため売買が交錯した。 

 

メキシコペソは堅調だった。WTI原油先物価格は一時4%超下落したものの、メキシコの通貨ペソは買いが優勢となった。ドル/ペソは一時19.9135ペソ、ペソ/円は5.50円までペソ高に振れた。なお、メキシコ中銀はこの日、市場の予想通り政策金利を現行の4.00%に据え置くことを全会一致で決定した。声明では『不確実性が極めて高い環境下で、インフレ、経済活動、金融市場に対するリスクが金融政策に対する主要な課題になっている』との見解を示した。

 

NY原油先物市場は大幅反落:目先の供給不足不安解消で売り優勢

NY原油先物市場は63.09ドル-65.81ドルのレンジ相場となった。週末にサイバーテロを受けた米『コロニアル・パイプライン』が稼働を再開したことで、目先の供給不足不安が解消されたこともあり原油先物価格は5日ぶりに大きく反落して引けた。なお、バイデン米大統領はパニック的なガソリンの購入を控えることを国民に訴えた。ポジション調整的な売りが活発となった。一時63.09ドルまで下落。ただ、時間外取引では株高を意識して63.89ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は反発:米金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1808.40-1829.10ドルのレンジ相場となった。米金利高に連れたドル買いの影響で弱含んでいた金先物価格だったが、昨日の米消費者物価指数(CPI)に続いて予想より強い結果となった卸売物価指数(PPI)発表後も、米金利が低下しドルの頭も抑えられたことで、金先物価格は小幅に反発して引けた。ロンドン市場で1808.40ドルまで下げたが、米国株式の反発を意識して換金目的の売りは減少し、1829.10ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では1820ドル台で推移している。

 

米国債券市場は上昇:基調の見極めムードから買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)1.66%で終了した。前日の4月米消費者物価指数(CPI)に続き、この日発表の4月米卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったが、市場では『インフレ率の上昇が一時的なのか、新たなトレンドなのかを見極めようとする動きが出ている』との声が聞かれた。 

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