FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:高インフレから金融緩和の修正思惑による売り

NYダウは681.50ドル安の33587.66ドル、ナスダックは357.75ポイント安の13031.68ポイントで取引を終了した。4月米消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上回ったことを受けて、高インフレが長引き、金融緩和が修正されるとの思惑から米長期金利が上昇した。長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいハイテクなど高PER(株価収益率)株に売りが集まったほか、キャピタルゲイン増税を警戒した利益確定売りにも拍車がかかり、指数の押し下げ要因となった。NYダウは一時710ドル超下げる場面があった。VIX指数は21.84から27.59へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米CVP上振れで米長期金利上昇によるドル買い優勢

ドル/円は、注目を集めていた4月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.8%上昇/前年比4.2%上昇と予想の前月比0.2%上昇/前年比3.6%上昇を大幅に上回ったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。取引終了間際に一時109.71円と3日以来の高値を付けた。市場では『高インフレが長引き、米金融緩和が修正される』との思惑から、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.6988%前後まで上昇した。

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米インフレ指標発表直後に一時1.2072ドル付近まで下げたものの、一時1.2152ドルと日通し高値まで切り返した。ただ、戻りは鈍かった。金融市場が米国のインフレ加速に警戒を強める中、米金利上昇に伴うドル買いが継続し、一時1.2066ドルと日通し安値を付けた。 

 

オセアニア通貨は軟調だった。米国株相場の大幅下落でリスクセンチメントに敏感な豪ドルやNZドルには売りが出た。豪ドル米ドルは一時本日安値となる0.7719米ドル、豪ドル円は84.60円まで値を下げたほか、NZドル米ドルは0.7152米ドル、NZドル円は78.37円と日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は4日続伸:燃料不足が発生する可能性で買い優勢

NY原油先物市場は64.97ドル-66.63ドルのレンジ相場となった。週末にサイバーテロを受けた米『コロニアル・パイプライン』の稼働停止により、米南東部および中部大西洋岸地域全体で、より広範な局地的な燃料不足が発生する可能性が指摘されていることで底堅い動きとなった。また、国際エネルギー機関(IEA)の月報で、ワクチン普及により欧米などで力強い回復が見込めると公表したことも原油先物の支えとなった。アジア市場で64.97ドルまで下げたが、原油在庫の減少や需要増加の思惑は消えていないことから、ニューヨーク市場の中盤にかけて66.63ドルまで買われた。ただ、時間外取引では株安を嫌って65ドル台後半でもみ合う状態が続いた。

 

NY金先物市場は続落:米長期金利とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1813.00-1844.70ドルのレンジ相場となった。4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を大幅に上回る強い結果となったことで、米長期金利が上昇、ドル高になり、金先物価格は続落して引けた。ニューヨーク市場の序盤に1844.70ドルまで買われたが、米国株安を警戒して安全逃避的な取引が増えており、通常取引終了後の時間外取引では換金目的の売りが優勢となった。

 

米国債券市場は4日続落:インフレ加速を警戒した売り優勢

米国債券市場は4日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い(価格は下落)1.69%で終了した。4月米消費者物価指数(CPI)が予想を大幅に上回る伸びとなったことで、インフレ加速を警戒する売りが出た。10年債利回りは一時1.6988%前後まで上昇する場面があった。なお、米10年債入札は『好調』と受け止められたものの、相場の反応は限られた。

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