FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:高値警戒感から利益確定売り優勢

NYダウは34.94ドル安の34742.82ドル、ナスダックは350.38ポイント安の13401.86ポイントで取引を終了した。新型コロナワクチン普及による景気回復や金融緩和の長期化観測から買いが先行し一時310ドル超上昇したものの、買い一巡後は徐々に売りが優勢になった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが出て、引けにかけて下げに転じた。米長期金利が上昇したことで高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出たことも指数の押し下げ要因となった。VIX指数は16.69から19.66へ急上昇した。

 

NY外国為替市場:英国経済の正常化への進展でポンド全面高

ポンドは全面高になった。対ドルでは一時1.4158ドルと2月25日以来の高値を付けたほか、対円では154.03円と2018年2月以来約3年3カ月ぶりの高値を付けた。また、ユーロに対しては一時0.8588ポンドと4月7日以来の高値を更新した。英政府がイングランドの新型コロナウイルス対策の規制に関し、17日から緩和する方針を表明した。英国経済が正常化に向けて順調に進んでいることが確認され、ポンド買いを誘った。市場では『本邦機関投資家の円売り・ポンド買いのフローが入った』との声も聞かれた。
 なお、7-8日に開票された英北部のスコットランド議会選では地域の独立を目指す与党スコットランド民族党(SNP)が全129議席のうち64議席を獲得した。過半数に1議席届かなかったものの、改選前議席を3上回った。緑の党も8議席を獲得し、2党合わせた『独立派』の議席は過半数に達した。ただ、相場の反応は限定的だった。

 

ドル/円は、日本時間夕刻に一時109.05円まで上昇した影響が残ったものの、NY時間に限れば値幅は概ね20銭前後のレンジ取引に終始した。本日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったため大きな方向感は出なかった。 

 

ユーロ/ドルは、終値は1.2129ドルと前営業日NY終値(1.2166ドル)と比べて0.0037ドル程度のユーロ安水準だった。ポンドやカナダドルに対してドル安が進んだ流れに沿って一時1.2178ドルと日通し高値を付けたものの、ユーロ/ポンドなどユーロクロスの下落につれた売りが出ると弱含んだ。米長期金利の指標である米10年債利回りが上昇に転じ、一時1.6074%前後まで上げたことも相場の重しとなり、取引終了間際に1.2128ドルと日通し安値を付けた。 

 

NY原油先物市場は続伸:米国株安を意識して上げ幅縮小

NY原油先物市場は63.95ドル-65.75ドルのレンジ相場となった。週末に米精油製品パイプライン最大手の『コロニアルパイプライン』がサイバーテロを受け、稼働するすべてのパイプラインが停止することになったことを受けて、アジア時間は堅調な動きとなった。しかしながら、エネルギー需要の遅れを警戒する声も出ていたことで、徐々に上げ幅を削り僅かながら続伸して引けた。アジア市場で65.75ドルまで買われたが、その後は伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて63.95ドルまで下落した。その後、65.07ドルまで戻したが、時間外取引では米国株安を嫌気して64ドル台後半で推移した。 

 

NY金先物市場は4日続伸:全般ドル安を意識した買い優勢

NY金先物市場は1830.50-1846.30ドルのレンジ相場となった。先週発表された米雇用統計がさえない結果となってからの地合いが継続された。またポンドやカナダドルを中心にドル安が進展していることで、ドルで取引される金先物は割安感から買いが優勢となった。アジア市場で1830.50ドルまで下げたが、まもなく反転し、ニューヨーク市場の序盤にかけて1846.30ドルまで買われた。ただ、米国株安を意識した安全逃避的なドル買いが観測されており、金先物の上げ幅はやや縮小した。

 

米国債券市場は続落:持ち高調整目的に売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)1.60%で終了した。今週予定されている米物価指標の発表や国債入札などのイベントを控えて持ち高調整目的の売りが優勢となった。 

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