FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:金融緩和の長期化を期待した買い優勢

NYダウは229.23ドル高の34777.76ドル、ナスダックは119.40ポイント高の13752.24ポイントで取引を終了した。4月雇用統計で雇用者数の伸びが予想を大幅に下回ったため回復期待が後退して寄り付き後は下落した。同時に、連邦準備制度理事会(FRB)が早期に金融緩和を縮小するとの警戒感が後退し、上昇に転じた。引けにかけ、金融緩和の長期化を期待した買いが一段と強まり、上げ幅を拡大した。NYダウは連日史上最高値を更新して引けた。VIX指数は18.39から16.69へ大きく低下した。

 

NY外国為替市場:4月米雇用統計の弱い結果受けドル失速

ドル/円は、米労働省が発表した4月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比26.6万人増と市場予想の97.8万人増を大きく下回り、失業率が6.1%と予想の5.8%より弱い内容だったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行した。目先のストップロスを断続的に巻き込んで一時108.31円まで値を下げた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.4643%前後まで急低下したあと上昇に転じたため、ドル/円にも買い戻しが入った。NYダウが連日で史上最高値を更新するなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えし、108.88円付近まで下げ幅を縮める場面があった。もっとも、円以外の通貨に対してはドル売りが続いたため、ドル/円の戻りは限定的だった。
 なお、市場では低調な米雇用統計について『雇用のミスマッチが起きていると考えられるものの、これは一過性にとどまる見込み。新型コロナウイルスのワクチン普及などを追い風に米労働市場は正常化の動きが続くだろう』との声が聞かれた。

 

ユーロ/ドルは、低調な米雇用統計を受けて全般ドル売りが先行した。米長期金利は上昇に転じたものの、米国株高に伴うリスク選好のドル売りも出たため、終日底堅く推移し、一時1.2171ドルと2月26日以来の高値を更新した。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反発:米株高でリスク選好の買いが優勢に

NY原油先物市場は63.90ドル-65.24ドルのレンジ相場となった。4月米雇用統計が労働市場の回復鈍化を示唆する結果となり、経済活動の停滞が懸念されて原油先物は64ドル割れまで売りが先行した。もっとも株式市場のリスクセンチメントは良好なままだったため、リスク資産でもある原油への買い意欲も回復し、一時65ドル前半まで下値を切り上げた。その後は、ウィーンで開かれているイラン核合意を巡る協議を見極めたいとする雰囲気が広がり、64ドル後半を中心にもみ合った。 通常取引終了後の時間外取引ではポジション調整的な売りが増えたことで原油先物は64ドル台後半で推移した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比2基増加の344基になった。

 

NY金先物市場は3日続伸:弱い4月米雇用統計結果受け買い優勢に

NY金先物市場は1813.40-1844.60ドルのレンジ相場となった。強い数値が期待されていた4月米雇用統計がさえない結果となり、安全資産とされる金に資金が向かい、約3カ月ぶりの高値となる1844ドル台まで値を上げた。その後は週末を控えて利益確定の売りに押されるも、為替相場でドル安・ユーロ高が進んだことでドル建ての金先物の下げ幅は限定された。欧米諸国の株高は特に嫌気されなかった。

 

米国債券市場は下落:米国株の上昇でリスク選好の債券売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)1.58%で終了した。低調な4月米雇用統計を受けて相対的に安全資産とされる米国債には買いが先行したため、10年債利回りは一時1.4643%前後まで急低下した。ただ、米国株相場が上昇すると一転債券売りが優勢となり、利回りは上昇に転じた。 

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