FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:インフレや利上げの警戒感後退で買い優勢

NYダウは97.31ドル高の34230.34ドル、ナスダックは51.08ポイント安の13582.43ポイントで取引を終了した。イエレン財務長官がインフレ問題を懸念しておらず、また、FRBの金融政策を予想したり推奨したりすることはないと、発言を明確化したため投資家のインフレや利上げへの警戒感が後退して、寄り付き後は上昇した。予想を上回った企業決算や商品価格高を受けたエネルギー関連株の上昇がけん引し、NYダウは終日堅調な展開となった。また、米国で新型コロナウイルスワクチン接種が進む中、経済活動正常化への期待から買いが広がった。一方、ハイテク株から景気循環株への移行が続き、ナスダック総合指数は下落した。VIX指数は19.48から19.15へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下でドルの重石

ドル/円は、アジア市場では一時109.48円まで値を上げる場面もあったが、海外市場では上値の重さが目立った。4月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が74.2万人増と予想の80.0万人増を下回ったことが相場の重しとなり、一時109.15円と日通し安値を付けた。4月米サービス部門PMI改定値が64.7と予想の63.1を上回り、同総合PMIが63.5と速報値の62.2から上方修正されたことが分かると109.32円付近まで下げ渋る場面もあったが、4月米ISM非製造業指数が62.7と予想の64.3を下回ったことから、戻りも限定的だった。米長期金利の指標である米10年債利回りが1.56%台まで低下したことも相場の重石となった。

 

 ユーロ/ドルは、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。ユーロ/ポンドの下落につれたユーロ売り・ドル買いが出たほか、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストが『ワクチン普及や経済の制限解除は3月見通しに織り込まれている』と述べ、債券購入の削減についても『インフレや資金調達の状況次第』として、慎重な姿勢を示したことが相場の重石となった半面、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため相場は方向感が出なかった。

ユーロ/ポンドは一時0.8624ポンドまで弱含んだ。6日投票のスコットランド地方選で英国からの独立を目指すスコットランド民族党(SNP)が過半数に届かない見込みだと伝えられたことなどを背景にユーロ売り・ポンド買いが進んだ。市場の一部では『英中銀金融政策委員会(MPC)でテーパリングについての議論が開始される』と予想する向きもあった。

 

NY原油先物市場は3日ぶりに反落:持ち高調整売りが優勢

NY原油先物市場は64.92ドル-66.76ドルのレンジ相場となった。経済正常化への期待が高まるなかで買いが先行した。また、米エネルギー省(EIA)の週間石油在庫統計で原油が大幅取り崩しとなったことにも後押しされ、一時66.70ドル台まで上値を伸ばした。もっとも買い一巡後は持ち高調整の売りが優勢となり、一時65ドル割れまで値を下げる場面もあった。ニューヨーク市場の序盤にかけて66.76ドルまで買われたが、利益確定を狙った売りが観測されており、64.92ドルまで下げた。ただ、原油在庫は減少しており、原油需要の増大の思惑は消えていないことから、時間外取引で65ドル台半ばまで戻している。

 

NY金先物市場は小幅反発:米長期金利の伸び悩みから買い優勢

NY金先物市場は1769.30-1788.00ドルのレンジ相場となった。4月ADP全米雇用報告は74.2万人増と予想をやや下回ったものの、7カ月ぶりの大幅な伸び幅を記録した。米労働市場の回復基調が確認され、安全資産とされる金は売りが先行した。もっとも米長期金利が低下傾向となると金利がつかない金の魅力が相対的に上がり、金先物は買い戻し優勢のまま引けた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1769.30ドルまで売られたが、米長期金利の伸び悩みを意識した買いが入ったことで反転した。通常取引終了後の時間外取引で1788.00ドルまで上昇した。 

 

米国債券市場は4日続伸:米経済指標が弱い結果となり買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.57%で終了した。4月ADP全米雇用報告や4月米ISM非製造業指数が予想より弱い内容となったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。 

 

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