FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:ワクチン普及への期待から買い戻し

NYダウは316.01ドル高の34137.31ドル、ナスダックは163.95ポイント高の13950.22ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルス変異種感染拡大を受けて、国務省が100カ国近くを渡航禁止国に指定したため経済活動の再開が抑制されるとの懸念に、下落して寄り付いた。しかし、米疾病対策センター(CDC)によると、米国の新型コロナワクチン接種回数は2億回を超え、バイデン米大統領の目標接種回数を達成した。ワクチン普及への期待から景気敏感株中心に買い戻しが広がった。好決算を発表したIBMが3.9%ほど上昇し、1銘柄でダウ平均を36ドル程度押し上げた。VIX指数は17.29から17.50へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:新規の手掛かり材料に乏しく方向感出ず

ユーロ/ドルは、欧州時間に一時1.1999ドルと日通し安値を付けたものの、NY市場ではユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.2039ドル付近まで持ち直した。BOCが金融緩和の規模を縮小し、利上げ時期のめどを前倒しすると対カナダドル中心に米ドル売りが先行した。ユーロに対してもドル安が進んだ。ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.2044ドルを上抜けることは出来なかった。市場では『明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会やラガルドECB総裁の定例記者会見を前に大きな方向感は出なかった』との指摘があった。

 

ドル/円は小幅ながら3日続落となった。NY時間に限れば値幅22銭程度のレンジ取引に終始した。本日は主要な米経済指標の発表もなく、新規の手掛かり材料に乏しかったため大きな方向感は出なかった。 

 

カナダドルは、カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を0.25%のまま据え置くことを決めたと発表したものの、声明では『世界とカナダの経済見通しは改善した』と分析し、債券買い入れプログラムを従来の週40億カナダドルから週30億カナダドルに減額すると表明した。また、現行の金利水準維持の前提となる経済のスラック(緩み)が吸収される時期の見通しを従来の2023年から22年後半に前倒しした。市場では来年にも利上げが開始される可能性が高まったとしてカナダドル買いが広がった。対米ドルでは一時1.2460カナダドル、対ユーロでは1.4991カナダドル、対円では86.79円まで大きく値を上げた。 

 

NY原油先物市場は続落:原油需要の増加期待薄から売り優勢

NY原油先物市場は60.86ドル-62.56ドルのレンジ相場となった。主要石油輸入国インドでの新型コロナウイルス感染状況の悪化が重石となった。また、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で、原油は小幅な在庫積み増しへ転じた一方、原油受け渡し地点オクラホマ州クッシングの在庫は取り崩しへ転じた。結果公表後62ドル台へ持ち直す場面もあったが失速した。 原油需要のすみやかな増加は期待できないことから、売りが優勢となった。ただ、米国株式の反発が意識されたことで下げ幅はやや縮小した。

 

NY金先物市場は続伸:ドル弱含みで買い優勢

NY金先物市場は1776.60-1793.10ドルのレンジ相場となった。利上げ前倒しの可能性を示唆したカナダ銀行(BOC)会合後に買われたカナダドルほか資源国通貨や、ユーロなど欧州通貨といった主要通貨の上昇で相対的にドルが弱含んだことで、ドル建ての金相場に割安感が生じた。低位での米債券利回りの推移も、金利を生まない資産である金の相対的な価値向上を意識させ、買いを促した。金先物はニューヨーク市場の序盤にかけて1798.40ドルまで買われる場面があった。

 

米国債券市場は横ばい:米国債入札好調で買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年債利回りは前営業日比と同じ1.55%で終了した。米国株相場の上昇を受けて債券売りが先行したものの、20年債入札が好調な結果になると買い戻しが入ったため持ち直した。 

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