FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米景気の回復期待から買い優勢

NYダウは305.10ドル高の34035.99ドル、ナスダックは180.92ポイント高n14038.76ポイントで取引を終了した。良好な銀行決算を好感し、寄り付き後は上昇した。3月米小売売上高などが予想を上回ったことから、米景気の回復期待が高まった。米長期金利の低下を受けて、高PER(株価収益率)のハイテク株が買われたことも指数の押し上げ要因となった。NYダウと多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。VIX指数は16.99から16.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利低下で総じてドル売り優勢

ドル/円は、3月米小売売上高や4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数など、この日発表された米経済指標が予想を上回る良好な結果となったにもかかわらず、米長期金利が大幅に低下したため円買い・ドル売りが優勢となり、一時108.58円と3月24日以来の安値を付けた。その後の戻りも鈍かった。

 

ユーロ/ドルは、欧州市場では米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1993ドルと3月4日以来の高値を付けたものの、節目の1.2000ドルに接近した場面では戻り売りなどが出たためNY市場では上値の重さが目立った。ユーロ/ポンドなどユーロクロスの下落につれたユーロ売り・ドル買いも出て、一時1.1956ドルと日通し安値を更新した。

 

トルコリラは上昇した。トルコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を19.00%に据え置くことを決めたと発表した。声明では前回あった『必要に応じて追加の金融引き締めを行う』との文言が削除された。市場では『これまでの金融引き締め姿勢が後退した』と受け止められ、リラ売りが優勢となる場面もあったが、米国株相場が史上最高値を更新する中、リスク選好の様相が強まると円やドルに対してリラを買い戻す動きが優勢になった。対円では一時13.55円付近まで切り返したほか、対ドルでは8.0125リラと2日以来のリラ高水準を付けた。利下げを望むエルドアン・トルコ大統領が3月下旬に自らの主張に近い『ハト派』のカブジュオール・トルコ中銀総裁を据えた後の初の金融政策決定会合とあって、市場では注目が集まっていた。 

 

NY原油先物市場は4日続伸:石油需要見通しの改善が下支え

NY原油先物市場は62.53ドル-63.57ドルのレンジ相場となった。今週に入り石油輸出国機構(OPEC)や国際エネルギー機関(IEA)が2021年石油需要見通しの改善を月報で示し、相場の下支え要因となっている。また昨日は米エネルギー省(EIA)の週間在庫統計で原油が大幅な取り崩しとなるなど、足もとでも需給の引き締まりが見受けられるなかで原油相場の底堅さが継続された。利益確定を狙った売りが観測されたが、2021年の世界の原油需要増加の思惑は残されていることや、米国株式の堅調地合いを意識した買いが入っており、原油先物は底堅い動きを保っている。

 

NY金先物市場は大幅に反発:米長期金利低下で買い優勢

NY金先物市場は1734.40-1770.60ドルのレンジ相場となった。米長期金利が低下傾向を強めたことで、金利がつかない金資産の相対的な魅力が高まった。銅やプラチナなど、他の貴金属価格が上昇したことにもつれて買い戻しが進んだ。また、米国がロシアに対する新たな制裁を発表し、両国間の緊張が高まったことも安全資産の金に資金を向かわせた。米国株式の上昇は長期金利低下によるものであり、特に嫌気されなかった。

 

米国債券市場は反発:米ロ間の緊張の高まりから買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.57%で終了した。米ホワイトハウスが新たな対ロシア制裁措置を発表すると、米ロ間の緊張が高まり相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。市場では『海外投資家が米国債を買い続けている』との声も聞かれ、10年債利回りは一時1.5268%前後と3月11日以来約1カ月ぶりの低水準を付ける場面があった。 

 

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