FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:経済正常化への期待と米長期金利上昇懸念

NYダウは98.49ドル高の33171.37ドル、ナスダックは79.08ポイント安の13059.65ポイントで取引を終了した。投資会社による強制的なポジション解消取引関連の報道を受け、金融システム混乱懸念に寄り付き後は下落した。米国内大手金融各社が同社が顧客ではない、あるいは、関連取引による影響が『軽微』であることを明らかにすると警戒感が後退した。さらに、バイデン米大統領による3兆ドル規模のインフラ計画の詳細発表を今週控えているほか、4月19日までに9割の成人にワクチン接種を行う方針を示したことを受け、ワクチン普及による経済正常化への期待が高まった。サウスウェスト航空が大量の航空機を購入することで合意したと発表したボーイングが大幅高となり、指数を下支えした。一方、長期金利の上昇が重しとなり、ハイテク株は弱く、ナスダック総合指数は終日軟調に推移した。VIX指数は18.86から20.74へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米長期金利の上昇でドル底堅い展開

ドル/円は、米長期金利の上昇を手掛かりにした買いが先行した。米10年債利回りが一時1.72%台まで上昇するなか、アジア時間につけた109.80円を上抜けて前週末につけた年初来の高値109.85円に面合わせした。なお、バイデン米大統領は『4月19日までに9割の成人にワクチンの接種を行う』と表明した。市場では31日に大統領が発表するインフレ投資計画への期待も根強く、ワクチン接種による経済正常化への期待と併せてドル相場を下支えした。

 

ユーロ/ドルは、ユーロ/ポンドの上昇につれて一時1.1792ドル付近まで値を上げたものの、ロンドン16時(日本時間0時)のフィキシングにかけては米長期金利の上昇を受けた売りに押されて、1.1761ドルと昨年11月以来の安値を更新した。フィキシングを通過するといったんは下げ渋る場面もあったが、米金利の上昇が重石となり、引けにかけては再び安値圏まで押し戻された。

ユーロ/ポンドは下値の堅い動きになった。欧州時間には昨年2月以来の安値となる0.8506ポンドまで下落する場面があったが、節目の0.8500ポンドを下抜けることに失敗すると、その後は0.85ポンド台半ばまで買い戻された。 

 

NY原油先物市場は続伸:減産体制維持の思惑広がり買い優勢

NY原油先物市場は59.41ドル-61.77ドルのレンジ相場となった。アジア時間ではスエズ運河で大型コンテナ船が座礁したことで59ドル台半ばまで下落していた原油先物価格だが、コンテナ船が離礁したことを受けて61ドル台後半まで買い戻された。その後は60-61ドル台で激しく方向感がなく動いたが、引けにかけて買い意欲が強まり続伸して引けた。アジア市場で59.41ドルまで下げたが、主要産油国の減産体制は維持されるとの見方が強まり、原油先物は反発した。需給関係の改善が期待されており、ドル高でも原油先物は強い動きを見せた。

 

NY金先物市場は反落:米長期金利上昇とドル高を嫌気した売り

NY金先物市場は1705.60-1734.80ドルのレンジ相場となった。欧州時間にはスエズ運河で座礁していた大型コンテナ船が離礁したことを受け、金先物価格は緩やかに下落していたが、NY勢参入後には米10年債利回りが一時1.7%台まで上昇するなど、米金利上昇とドル高により下げ幅を拡大した。ドル高を警戒してニューヨーク市場の序盤にかけて1705.60ドルまで下げた。押し目買いが入ったことで1716.50ドルまで戻したものの、上値の重さは払しょくされず、時間外取引では1711ドル近辺でもみ合う状態が続いた。

 

米国債券市場は続落:米経済活動の正常化期待から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.71%で終了した。新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、米経済活動の正常化が進むとの見方が強まったため、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

 

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