FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米景気期待の高まりから買い優勢

NYダウは453.40ドル高の33072.88ドル、ナスダックは161.05ポイント高の13138.73ポイントで取引を終了した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。バイデン米大統領が新型コロナウイルス克服を目指し、政策発足100日間のワクチン接種目標を1億回から2億回に引き上げたほか、インフラ投資の強化などを表明した。また、3月ミシガン大学消費者信頼感指数がパンデミック前の水準に戻したため、強い回復期待が広がり寄り付き後に上昇した。これを受けて、米景気回復への期待が高まりから景気敏感株や旅行関連株に買いが集まった。一方、長期金利の上昇がハイテク株の上値を抑制する局面もあったが、引けにかけて、主要株式数は上げ幅を拡大した。VIX指数は19.81から18.86へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドルは底堅く推移

ドル/円は、米10年債利回りが一時1.6778%前後まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行した。米経済活動の正常化期待を背景に米国株相場が堅調に推移すると、リスク選好の円売りも優勢となり一時109.85円と昨年6月5日の高値に面合わせした。ただ、米10年債利回りが1.63%台まで上昇幅を縮めるとドル円も109.53円付近まで伸び悩んだ。月末・四半期末が近づく中、ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローも観測された。なお、市場では『109.85円を上抜けると、1年ぶりとなる110円の大台復帰が視野に入る』との声が聞かれたほか、『国内輸出企業の売りはほぼ手当済みだが、実需勢の買い遅れ感が強く、期末に絡むフローが意識される』との指摘があった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.1772ドル付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.1764ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢になった。米国株価の上昇を背景にユーロ円が買われた影響も受けて、一時1.1805ドルまで強含んだ。ユーロ/ドルは前日に一時1.1762ドルと昨年11月12日以来約4カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いも入った。

 

メキシコペソは、WTI原油先物価格が一時4%超上昇したことを受けて、産油国通貨とされるペソに買いが集まった。ドルペソは一時20.5397ペソ、ペソ円は5.35円までペソ高に振れた。また、メキシコの代表的な株式指数であるボルサ指数は一時1%超上昇した。

 

NY原油先物市場は大幅反発:大型船座礁の影響は解消されず買い優勢

NY原油先物市場は58.32ドル-61.36ドルのレンジ相場となった。サウジアラビア南部の石油施設が反体制派組織から攻撃され、タンクで火災が発生したことが報じられると原油先物は時間外から買いが先行した。NY勢の本格参入後には、昨日売り込んだ投機筋の買い戻しが活発化して一時61ドル前半まで大きく値を上げた。エジプト・スエズ運河で起きた大型船座礁事故によるエネルギー市場への影響が、当初の見込みよりも長期化するのではないかとの懸念が高まったことも買い材料とされたようだ。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比6基増加の324基になった。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利の動向を睨んだ相場展開

NY金先物市場は1718.80-1735.50ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇を眺めながら下押しした局面では、一時1720ドル割れと週安値を更新した。ただその後にドルが対ユーロで売り戻されると、ドル建ての金先物は割安感から買い優勢となり1730ドル台を回復した。週引けにかけてそのまま底堅く推移した。通常取引終了後の時間外取引では1730ドルを挟んだ水準で推移した。

 

米国債券市場は続落:リスク選好から安全資産売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.67%で終了した。米国で新型コロナウイルスのワクチン普及が加速し、経済活動の正常化が進むとの見方が強まると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

 

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