FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:増税計画を嫌気した売り優勢

NYダウは3.09ドル安の32420.06ドル、ナスダックは265.81ポイント安の12961.89ポイントで取引を終了した。ドイツが復活祭前後のロックダウン強化計画を撤回し欧州の回復遅延への懸念が後退したほか、原油価格の上昇が好感され、寄り付き後、上昇した。また、米国で新型コロナウイルスワクチン接種が進む中、経済活動正常化への期待から買いが先行。一時360ドル超上げた。しかし、イエレン長官がバイデン政権の増税計画を再確認したほか民主党内で保守寄り議員が増税計画支持を表明すると、引けにかけて、下落に転じた。セールスフォース・ドットコムやアップルなどハイテク株が売られ、指数を押し下げると引け間際にマイナスに転じた。VIX指数は20.30から21.20へ上昇した。

 

NY外国為替市場:感染第3波への懸念から総じてユーロ売り優勢

ユーロ/ドルは、欧州での新型コロナウイルス感染第3波への懸念に加えて、ワクチン接種の遅れが嫌気されてユーロ売りが出やすい地合いとなった。一時は360ドル超上昇したNYダウが下げに転じたことで、リスク回避のドル買いも入り1.1810ドルと昨年11月23日以来約4カ月ぶりの安値を付けた。メルケル独首相が前日に発表した4月の復活祭期間中のロックダウン(都市封鎖)強化について『一部を撤回する』考えを示すと、欧州経済への懸念がやや和らぎユーロ買い戻しを誘う場面もあったが、戻りは鈍かった。

 

ドル/円は、米10年債利回りが一時1.6489%前後まで上昇したことを受けて円売り・ドル買いが先行した。前日の高値108.87円を上抜けて一時108.95円まで上値を伸ばした。ただ、109.00-50円に観測されている売りオーダーに上値を抑えられると、伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、108.66円付近まで上値を切り下げた。もっとも、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受けたため、下押しは限定的だった。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時92.61まで上昇し、約4カ月ぶりの高値を更新したあとも底堅く推移。ほぼ高値圏で引けた。なお、イエレン米財務長官は米上院銀行委員会で『米国内の銀行は配当や自社株買いが認められるほど健全』と述べ、コロナ禍からの回復に自信を示した。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長も経済見通しに関する質問に『今年はかなり力強い年になるというのが最も可能性の高いシナリオだ』と述べ、米経済に自信を示した。 

 

NY原油先物市場は大幅反発:スエズ運河の船舶航行に影響で買い優勢

NY原油先物市場は57.29ドル-61.34ドルのレンジ相場となった。エジプトのスエズ運河では23日に大型コンテナ船が座礁し、航路がふさがれていると報じられた。原油運搬にも支障が出るとの見方から供給不足への懸念が高まり、原油相場は買い戻しが一気に強まった。週間在庫統計の発表後に緩む場面はあったものの下値の堅さを確認するに止まり、再び上値を試す展開に。結局、前日比約6%高となる61ドル前半まで上げ幅を拡大した。なお米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫統計では、原油は191.2万バレルと5週連続の積み増しとなった。

 

NY金先物市場は反発:欧州の景気回復の遅延懸念から買い優勢

NY金先物市場は1722.30-1737.70ドルのレンジ相場となった。欧州では、新型コロナウイルス変異株の感染拡大やワクチン普及がなかなか進まないことで、景気回復の遅れに対する懸念が高まっている。リスク回避が意識されるなか、安全資産としての金に資金が向かった。ユーロ安が嫌気された場面もあったが、ニューヨーク市場の中盤にかけて米長期金利の低下を意識した買いが入っており、金先物は底堅い値動きとなった。

 

米国債券市場は3日続伸:好調な5年債入札を受け買い強まる

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.61%で終了した。米経済活動の正常化が進むとの見方から債券売りが先行したものの、米国債への底堅い需要を示す5年債入札の結果を受けて債券買いが強まると持ち直した。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ