FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策が成立する見通しで買い優勢

NYダウは464.28ドル高の32297.02ドル、ナスダックは4.99ポイント安の13068.83ポイントで取引を終了した。米国の新型コロナウイルス追加経済対策が成立する見通しとなったことで投資家心理が上向き、引き続き買いが優勢となった。2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れ、買いを後押しした。NYダウは一時550ドル超上昇する場面があった。一方、10年債入札が冴えず、長期金利が下げ止まるとハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反落し、同4.99ポイント安の13068.83で取引を終えた。前日に大幅高となった反動で下げた。VIX指数は25.47から22.56へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国のインフレ懸念薄れ米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、『日銀は国債金利がより柔軟に動く方法を政策点検で検討している』との一部報道を受けて円買い・ドル売りが先行し、一時108.50円付近まで値を下げた。ただ、黒田東彦日銀総裁が5日に長期金利の変動幅拡大に対して否定的な見解を示したこともあり、ドル売り圧力はすぐに後退した。もっとも、2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ったことが分かると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れ、米金利の低下とともにドル売りが再燃した。前日の安値108.42円を下抜けて一時108.34円まで下げ足を速めた。なお、米下院はこの日、1.9兆ドル規模の新型コロナウイルス経済対策法案を再可決した。バイデン大統領は12日に署名する見通しで、同法案はその後成立する。 

 

ユーロ/ドルは、翌日予定されている欧州中央銀行(ECB)定例理事会とラガルドECB総裁の会見を見極めたいとして、しばらくは方向感に乏しかったが、米CPIを受けて米金利が低下すると一時1.1925ドルまでユーロ高が進んだ。その後1.1886ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、引けにかけて再び強含んだ。6時30分前には一時1.1930ドルと日通し高値を更新した。なお、『ECB予測草案では、インフレ上昇は一時的との見解が示される』との一部報道が伝わったものの、相場の反応は限られた。 

 

カナダ銀行(BOC、中央銀行)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の0.25%で据え置くと発表した。据え置きは8会合連続。声明では『インフレ率が継続的に目標の2%に達するまでは現行の金融緩和策を維持する』との方針を改めて示した半面、『新型コロナ流行で落ち込んだ世界経済は回復基調にあり、米景気はコロナ感染減と財政支出の拡大を背景に勢いを増している』『カナダ経済も想定されていたより底堅い』とし、2021年第1四半期のGDP見通しを1月時点のマイナスからプラスに引き上げた。

 

NY原油先物市場は反発:株高を意識した買い戻し

NY原油先物市場は63.13ドル-64.96ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫は、原油在庫の積み増しが続いたものの、ガソリン在庫や中間留分(含む暖房油)は取り崩しが継続した。NY原油先物は、売り買いが交錯して64ドルを挟んで上下した。アジア市場で63.13ドルまで下げたが、米長期金利の低下を意識した買いが入ったことによって、ニューヨーク市場で一時64.96ドルまで反発した。その後、63.25ドルまで反落したものの、株高を意識して時間外取引で64.60ドルまで戻している。

 

NY金先物市場は小幅高:米長期金利の伸び悩みが支援材料

NY金先物市場は1705.60-1724.40ドルのレンジ相場となった。米10年債利回りが一時1.504%と、先週4日以来の1.5%割れをうかがう低下が先行し、ドルは重い動きになった。ドル建て価格の割高感が後退して、金相場は底堅く推移した。ロンドン市場で1705.60ドルまで下落したが、米長期金利の伸び悩みを意識した買いが観測されており、ニューヨーク市場で1720ドル台まで上昇した。株高を意識して上げ渋る場面もあったが、一時1724.40ドルまで買われている。

 

米国債券市場は小幅続伸:インフレ指標が予想を下回り買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは小幅続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.52%で終了した。2月米消費者物価指数(CPI)でエネルギーと食品を除くコア指数が予想を下回ると、インフレ加速による長期金利上昇への警戒感が薄れた。なお、注目されていた10年債入札は『まずまずの結果』と受け止められ、市場の一部では安心感が広がった。 

 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ