FITS エコノミックレポート

朝の市場のコメント!

米国株式市場は大幅下落:米債務上限引き上げ問題の懸念を嫌気

NYダウは569.38ドル安の34299.99ドル、ナスダックは423.29ポイント安の14546.69ポイントで取引を終了した。財務長官が連邦債務が10月18日に上限に達する公算大だと指摘したため、政府機関閉鎖などのリスクが警戒され、寄り付き後は下落した。9月消費者信頼感指数が予想外に悪化し、回復低迷懸念が浮上したほか、イエレン長官が上院銀行委員会証言で、債務上限が引き上げられなければ金融危機やリセッションに直面する可能性を警告したため、売りが加速し一時610ドル超下げた。金利の上昇で、ハイテク株も売られた。VIX指数は18.76から23.25へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米早期利上げ観測から全般ドル買い優勢

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による早期利上げ観測が強まる中、米長期金利の指標である米10年債利回りが一時1.5652%前後と6月17日以来の高水準を付けると全般ドル買いが先行し、一時111.64円と7月2日以来の高値を付けた。ただ、年初来高値でもある同日高値111.66円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。9月米消費者信頼感指数が109.3と予想の114.5を下回り、同月米リッチモンド連銀製造業景気指数が▲3と予想の10より弱い内容となったことも相場の重しとなり、一時111.24円付近まで下押しした。もっとも、下値は限定的だった。米7年債入札が低調となったことを受けて、米長期金利が再び上昇すると111.62円付近まで強含んでいる。なお、パウエルFRB議長は米上院銀行委員会で『雇用の完全回復は長い道のりになる』『テーパリングを開始しても来年半ばまでは資金供給を継続』と述べたほか、利上げを開始する基準については『テーパリング着手よりも大幅に高い』との見解を示した。また、金融商品への投資を巡り批判が高まっていたカプラン米ダラス連銀総裁とローゼングレン米ボストン連銀総裁に関し、FRBの内部規定や金融規制に関する議員らの厳しい質問にさらされた。

 

ユーロ/ドルは、米消費者信頼感指数など低調な米経済指標を材料にユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1701ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1703ドル手前で失速した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリングの年内着手や2022年中の利上げ開始の可能性が示され、米長期金利の上昇に圧力がかかる中、24時過ぎには一時1.1668ドルと8月20日以来の安値を付けた。もっとも、年初来安値でもある同日安値の1.1664ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ/ポンドやユーロ/豪ドルなどユーロクロスの上昇につれた買いも相場を下支えした。

 

NY原油先物市場は6日ぶりに反落:米長期金利上昇やドル高を警戒した売り

NY原油先物市場は74.16ドル-75.75ドルのレンジ相場となった。時間外では76ドル台で強含むも、米国株売りが強まるとリスク資産でもある原油にも手仕舞い売りが持ち込まれて74ドル台まで反落した。ただし米メキシコ湾岸の石油関連施設の復旧の遅れから、供給逼迫への市場の懸念は根強いままだった。29日・米エネルギー省(EIA)週間在庫統計では原油が8週連続の取り崩しとの予想も下値を支え、75ドル台を回復してた。アジア市場で76.67ドルまで一段高となったが、米長期金利上昇やドル高を警戒した売りが増えたことで原油先物は反落。ニューヨーク市場の中盤にかけて74.37ドルまで売られた。その後は、下げ渋り、通常取引終了後の時間外取引で75.35ドルまで戻す場面があった。

 

NY金先物市場は下落:米長期金利の上昇を嫌気した売り

NY金先物市場は1727.80-1754.30ドルのレンジ相場となった。米長期金利の上昇を受け、金利が生じない金の相対的な価値が低下し金相場は圧迫された。一時1727ドル台まで売られ、約1カ月半ぶりの安値を記録した。アジア市場で1754.30ドルまで買われたが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1727.80ドルまで下落した。欧米株安を意識して安全逃避的な買いが多少入ったが、金先物の戻りは1741ドル近辺で一服し、通常取引終了後の時間外取引では主に1730ドル台で推移した。

 

米国債券市場は下落:米早期利上げ観測から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.30%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い1.53%で終了した。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に広がった早期の緩和縮小観測が、引き続き債券売りを促した。原油など資源価格の高騰も金利を押し上げ、利回りは一時1.5652%前後と6月17日以来の高水準を付けた。

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