FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価:上値重く下げ幅拡大

ドル安・円高や米新政権でのドル安圧力警戒、20日のトランプによる就任会見と保護主義的な発言のリスクなどが重しとなりやすい。米長期金利のの低下はドル安のほか、米国の金融株下落を促しており、、日本の金融関連株もつれる可能性が高い。ただ、英国のEU離脱問題に関しては、前日のメイ首相の演説で一服となっている。ポンドも反発に転じていることから、過度なリスク回避の円高は抑制される。ドルや株の急落の反動調整的な下値拾いも注視される。日経平均株価は、前日比59円安の1万8753円で寄り付いた。その後は、一旦プラス圏まで回復したものの、円高持続を嫌気され下げ幅を拡大している。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は112円台後半でのもい合い相場

ドル/円は、トランプ次期大統領発言が嫌気されるなか、足早にドル/円は112円台に突入するなど警戒感が強まっている。米長期金利が低下傾向を示していることもドル売り要因になっている。ただ、潜在的な米金利先高観測が消えない以上ドルロング志向が根強く残る。そのため、過度なドル安にはなり難いが、ドル高けん制が出たばかりなので、ドル買いに警戒感も残り、上値は重い展開となる。ユーロ/ドルは、ドル売りに助長された格好で1.07ドル台を回復してはいるが、ポンドが1.20ドル割れから1.24ドル台まで急速に買い戻されており、ポンド安によるユーロ買い戻しの動きも限定的になっている。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済以外は様子を見スタンス。米系短期筋は113.50円からドルドル売りが継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は112円台では一旦ドル買いスタンス。米系短期筋は112.50円からドル買いが継続的に観測されている。

 

★CNNのトランプ次期大統領の最新支持率:意図のありそうな結果

米CNN/ORCが行った最新の世論調査によると、トランプ次期米大統領の支持率は40%に留まり、近年では最低となった。大統領就任前に行った以前の世論調査では、バラク・オバマ大統領が84%、Gブッシュ大統領は61%、ビル・クリントン大統領は67%を記録しており、トランプ次期大統領を大幅に上回っている。

 

トランプ次期米大統領の初記者会見で、質問を拒否され罵倒されたCNNの調査ということもあり、何か意図があるのかもしれない。

 

★昨晩の英メイ首相の演説について

英国のメイ首相は英国がEU単一市場から撤退する方針を表明した。一方、関税同盟については新たな取り決めを模索する方針を示した。さらにEU離脱に関する最終案を議会の採決にかけると言明した。市場はこの結果を受けて、事前に売り込まれたポンド相場に買い戻しが優勢となった。しかし、方向感を示したとしても、実際『単一市場への可能な限りのアクセスを模索』や『包括的な自由貿易協定をみつける』としても、具体的な戦略が見えない。『EUはパートナーである、同盟関係を結ぶ』と述べた。しかし、勝手に別れ話しを持ち出した相手に、寛容な対応をすることは普通は無理と思える。ブレグジットに関しては、英国を主とした一方的な方針であった。そのため、今後はEUからの現実を突きつかれることになる。さらに、スコットランドの離脱の可能性が高まりそうで、英国経済にとっては非常に厳しい状況となる。

 

 

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