FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続伸:米インフレのピークアウト観測の高まりから買い優勢

NYダウは229.63ドル高の32381.34ドル、ナスダックは154.10ポイント高の12266.41ポイントで取引を終了した。8月消費者物価指数(CPI)の発表を控え、市場では『米インフレのピークアウト観測が高まっており、株高が進んだ』との声が聞かれ寄り付き後は上昇した。NY連銀の8月期待インフレが大幅低下したことも投資家心理改善に繋がり相場をさらに押し上げた。同時に、9月連邦公開市場委員会(FOMC)の大幅利上げ観測は根強く、午後に入り長期金利が大きく上昇に転じると、主要株式指数は上げ幅を縮小して終了した。VIX指数は22.79から23.87へ上昇した。

 

NY外国為替市場:8月米CPI発表を控え方向感の出ない展開

ドル/円は、アジア時間に一時143.50円まで上昇した反動で海外市場に入ると円買い・ドル売りが先行した。米10年債利回りが一時3.26%台まで低下したことも相場の重しとなり、一時142.15円付近まで下押しした。明日の8月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に、市場では『米インフレのピークアウト観測が高まっており、株高とドル安が進んでいる』との声が聞かれた。なお、米ニューヨーク連銀の最新調査によると、1年後のインフレ期待は5.7%と前回の6.2%から急低下。3年後のインフレ期待も2.8%と前回の3.2%から低下した。ただ、NY午後に入るとじりじりと下値を切り上げる展開に。米10年債入札が『低調』と受け止められると、米10年債利回りが一時3.3751%前後と約3カ月ぶりの高水準を記録。円売り・ドル買いがじわりと強まり、142.85円付近まで持ち直した。

 

ユーロ/ドルは、欧州序盤に一時1.0198ドルと8月17日以来の高値を付けたものの、NY市場ではじり安の展開になった。欧州連合(EU)のエネルギー計画草案で電力需要の義務的削減が盛り込まれることが伝わると、域内景気の先行き懸念が高まりユーロの上値を抑えた。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出た。ただ、欧州中央銀行(ECB)が大幅利上げを継続するとの観測からユーロ買い・ドル売りも入りやすく、下押しも限定的だった。

 

NY原油先物市場は3日続伸:需給ひっ迫の可能性から買い優勢に

NY原油先物市場は85.16ドル-89.10ドルのレンジ相場となった。米戦略石油備蓄(SPR)在庫が約38年ぶりの水準まで縮小したとの報道や、欧州連合(EU)がロシア産の原油および石油製品に加え、天然ガスについても取引価格に上限を設ける方策を検討中であることに対しロシアが供給停止を警告していることを手がかりに原油先物は買いが優勢となった。また、英仏独がイランの核合意再建への意欲を疑問視する声明を発表したことや、為替相場でドル安・ユーロ買いが進んだことも原油の買いを後押した。アジア市場で85.16ドルまで下げたが、まもなく反転した。需給ひっ迫の可能性は残されており、ニューヨーク市場の中盤にかけて89.10ドルまで一段高となった。株高も意識された。通常取引終了後の時間外取引では主に88ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は続伸:ユーロ/ドルの値動きを意識した値動き

NY金先物市場は1722.30-1746.40ドルのレンジ相場となった。明日13日に米8月消費者物価指数(CPI)の発表を控え為替市場でドルの調整売りが優勢となり、ドル建ての金は割安感から買いが優勢となった。アジア市場で1722.30ドルまで売られた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて1746.40ドルまで買われた。ユーロ・ドルの値動きを意識し買いが入った。ただ、通常取引終了後の時間外取引では株高を意識して上げ渋り、1740ドルを下回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は反落:不調な米債券入札を受け売り優勢に

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)3.57%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い3.36%で終了した。この日実施された3年債と10年債入札が『低調』と受け止められると、債券売りが優勢となった。利回りは一時3.3751%前後と約3カ月ぶりの高水準を付けた。

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