FITS エコノミックレポート

金標準先物60分足では7,800円を意識!

 

★8月31日以降の金標準先物の60分足では、上値・下値を切り上げる上昇基調が継続しているものの、心理的節目となる7,800円まで上昇すると一旦上値の重くなる展開になった。24時間SMA(緑線)がサポートとして意識されていることや、各SMAが上向きになっていることで、上昇基調は継続している。7,800円を明確に上抜け出来るかが注目される。

 

NY金先物市場は1710.60-1737.40ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されて米長期金利が大幅上昇したため、金利を生まない資産である金に売りが出た。アジア市場の序盤で1737.40ドルまで買われたが、ドル高進行や米長期金利の上昇を嫌気した売りが次第に強まり、ニューヨーク市場の後半にかけて1710.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1712ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

価格帯別出来高では、7,600円前後に出来高の多い価格帯がありことで、上値が重くなると利益確定売りが出やすく上値の重しになりやすい。そのため、7,800円前後で出来高が膨らむかが焦点になる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方からシグナルを下抜け両線とも下向きになっていることから、上値が重くなっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)でも、%DとSlow%Dの両線が下向きになっており下押しバイアスが強まっている。短期の相場トレンドでは、下落調整的な動きになっている。

 

金標準先物の日足では、100日SMAの7,724円を上抜けしたことで、もみ合い相場から上放れする展開になってきた。NY金は、FRBによる積極的な金融引き締めが意識されて米長期金利が上昇したことが嫌気され下落する展開になった。今後もFRBの利上げが意識される中、しばらくはNY金の上値は重くなりそうである。ただ、利上げによって世界的な景気減速懸念もあり、いつまでFRBが積極的な金融引き締めが継続されるのかが焦点になる。米国株市場も26日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演以降は弱含みで推移しており、さらに下げ幅を広げるようなら金利高が抑制されることで、NY金へ資金が回避する可能性もある。外国為替市場では、NY市場で改めて日米金融政策スタンスの違いが意識されドル買い・円売りが強まった。そのため、金標準先物の下支えとなっている。

本日の注目点は、為替動向次第になりやすいが、7,800円を明確に上抜けできるかが焦点になる。60分足ではやや上値が重くなっていることで、寄り付き後の値動きが注目される。

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