FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:世界経済へのリスクを意識した売り優勢に

NYダウは173.14ドル安の31145.30ドル、ナスダックは85.95ポイント安の11544.91ポイントで取引は終了した。連休明けの買戻しが先行し、寄り付き後は上昇した。その後、8月ISM非製造業景況指数が予想外に2カ月連続で改善し、連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げを支持する結果を受けて金利上昇を警戒した売りが強まり、大きく下落に転じた。長期債利回りが6月来の高水準に達したほか、中国の都市封鎖の拡大、ロシアが欧米の経済制裁が解除されない限りノルドストリームを通じた欧州への天然ガスの供給を停止する可能性を示唆したことなどが世界経済へのリスクになるとの懸念に繋がり、終日軟調推移となった。米長期金利が約3カ月ぶりの水準まで上昇したことを受けて、高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが集まった。VIX指数は25.99から26.91へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日米の金融政策が違いが意識され円売り

ドル/円は、米10年債利回りが一時3.3531%前後と約3カ月ぶりの高水準を付けると円売り・ドル買いが先行した。8月米ISM非製造業指数が56.9と予想の55.1を上回ったことが分かると全般ドル買いが活発化し、一時143.07円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を更新した。積極的な金融引き締め政策が長期化するとの観測が強まる米連邦準備理事会(FRB)と、大規模な金融緩和策を維持する日銀との金融政策の方向性の違いが意識されて、円売り・ドル買いが出た面もあった。円はドル以外の通貨に対しても軟調だった。ポンド/円は一時165.10円、豪ドル/円は96.52円、NZドル/円は86.54円、カナダドル/円は108.97円、スイスフラン/円は145.35円まで値を上げた。エネルギー価格の高騰を受け欧州を中心に世界的に金利が上昇する中、低金利が続く円を売る動きが広がった。

 

ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇や予想を上回る8月米ISM非製造業指数を手掛かりにドル買いが先行し、一時0.9864ドルと2002年6月以来約20年ぶりの安値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時110.55と02年6月以来の高値を付けた。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。市場では『ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測された』との声も聞かれ、0.9929ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。 

 

NY原油先物市場はほぼ横ばい:米長期金利上昇やドル高を嫌気

NY原油先物市場は86.18ドル-89.48ドルのレンジ相場となった。休場だった5日にOPEC(石油輸出国機構)プラスが10月に日量10万バレルの減産で合意したことを受けて一時90.39ドルまで上昇した。ただ、米利上げ期待に伴って対ユーロなどを中心にドル高が進んだため、ドル建て価格に割高感が生じたため、その後は失速した。ロンドン市場の序盤で89.48ドルまで買われたが、ドル高を意識した売りが増えたことで86.18ドルまで反落した。ニューヨーク市場の序盤に88.02ドルまで戻したが、米長期金利の上昇を嫌気した売りが観測されており、通常取引終了後の時間外取引では87ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は反落:FRBの積極的な金融引き締めを意識した売り

NY金先物市場は1710.60-1737.40ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが意識されて米長期金利が大幅上昇したため、金利を生まない資産である金に売りが出た。アジア市場の序盤で1737.40ドルまで買われたが、ドル高進行や米長期金利の上昇を嫌気した売りが次第に強まり、ニューヨーク市場の後半にかけて1710.60ドルまで下落した。通常取引終了後の時間外取引では1712ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は下落:FRBの金融引き締めの長期化観測による売り

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.10%高い(価格は下落)3.50%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.16%高い3.35%で終了した。8月米ISM非製造業指数が予想を上回ると、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの観測が改めて意識され、債券売りが広がった。利回りは一時3.3531%前後と6月16日以来の高水準を付けた。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ