FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:連休前のポジション調整売りに押される展開

NYダウは337.98ドル安の31318.44ドル、ナスダックは154.27ポイント安の11630.86ポイントで取引を終了した。8月雇用統計で労働市場の健全性が証明されたほか、賃金の伸びも安定する良好な結果となったため、ハードランティング回避を期待した買いに寄り付き後は上昇した。9月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測も後退し、長期金利の低下に伴いハイテク株も買われ、相場を一段と押し上げた。後場に入り、ロシアのガスプロムがノルドストリーム稼働停止を継続すると発表すると、欧州発の燃料危機を警戒した売りに下落に転じた。連休前のポジションを手仕舞う売りも目立ち、下げ幅を拡大して終了した。VIX指数は25.56から25.47へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:米8月雇用統計発表後に米長期金利低下でドル売り優勢

ユーロ/ドルは、ロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプライン『ノルドストリーム1』を巡り、『ガス供給は予定通り3日再開の見通し』との報道が伝わると、欧州のエネルギー供給不安が和らぎ欧州株相場が大幅に反発した。投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。注目の8月米雇用統計では、非農業部門雇用者数が31.5万人増と予想の30.0万人増を上回った一方、失業率と平均時給が予想より弱い内容となったことが明らかに。市場では米連邦準備理事会(FRB)が利上げをさらに加速するほど強い内容ではないと受け止められ、米長期金利が低下した。全般ドル売りが優勢となり、一時1.0034ドルと日通し高値を更新した。ただ、NY午後に入ると一転売りが優勢になった。ロシア国営の天然ガス会社ガスプロムが『ノルドストリーム1』について『当初の計画通りに稼働を再開できない』と発表した。欧州のエネルギー供給不安が再び高まるとユーロ売りが強まり、一時0.9945ドル付近まで下押しした。なお、市場では『G7がロシア産原油に上限価格導入で合意したことへの対抗手段ではないか』との声が聞かれた。 

 

ドル/円は、米重要指標の発表を控えてしばらくは140円台半ばでのもみ合いが続いていたが、米雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことに買いで反応すると、一時140.80円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。ただ、失業率と平均時給が予想より弱い結果だったことから、FRBの利上げ加速の懸念が和らぎ、米10年債利回りが一時3.17%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、139.93円付近まで下押しした。7月米製造業新規受注が予想を下回ったことも相場の重しになった。もっとも、米利上げ加速の懸念は多少和らいだものの、FRBが金融引き締めを長期化させるとの観測自体は変わらない。『ガスプロムは欧州向けパイプラインの再開を延期』との報道をきっかけに対ユーロ中心にドル買い戻しが進んだ影響も受けて、140.32円付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は小幅に反発:大きく値を下げてきたことで反動買い

NY原油先物市場は86.35ドル-89.66ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合を5日に控えるなか、今週に大きく値を下げてきた反動による買い戻しが入った。アジア市場の序盤で86.35ドルまで売られたが、世界経済の減速を警戒した売りは一巡し、ニューヨーク市場の序盤にかけて89.66ドルまで戻す場面があった。ただ、米国株安を嫌気した売りも観測されており、通常取引終了後の時間外取引では87ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

NY金先物市場は6営業日ぶりに反発:米長期金利の低下を意識した買い戻し

NY金先物市場は1705.90-1729.50ドルのレンジ相場となった。昨日まで5日続落となった後だけに、米連休を控えた持ち高調整目的の買いが入った。また、外国為替市場でドル安が進んだ場面ではドル建てで取引される金の割安感を意識した買いも観測された。アジア市場の序盤で1705.90ドルまで売られたが、米雇用統計発表後に長期金利の低下を意識した買いが観測されており、ニューヨーク市場の中盤にかけて1729.50ドルまで上昇した。その後、利益確定を狙った売りが増えたことで伸び悩んだが、通常取引終了後の時間外取引では1720ドルを上回る水準で推移した。 

 

米国債券市場は反発:弱い内容の8月米雇用統計発表後に買い強まる

米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)3.40%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い3.19%で終了した。8月米雇用統計発表直後は雇用者数が予想を上回ったことを理由に売りが出たものの、すぐに買い戻しが優勢となった。失業率と平均時給が予想より弱い内容となったことから、市場では米連邦準備理事会(FRB)が利上げをさらに加速するほど強い内容ではないと受け止められた。 

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